米イェール大学の研究チームは、米国の大規模医療システムが保有するデータ(電子カルテおよび医師属性情報)を利用し、「医師の離職可能性」を高精度に予測する機械学習モデルを構築した。研究成果はこのほど、PLOS ONEから公開されている。
チームの研究論文によると、319人の医師について3ヶ月分の電子カルテ情報(利用時間や患者数、臨床生産性の指標など)、および医師の年齢や勤続年数など、個人の特性を示す属性情報から、その後6ヶ月以内での「医師の離職」を予測する機械学習モデルを構築した。検証の結果、このモデルは97%という高精度で離職を予測しており、特に離職に寄与する変数としては雇用期間、医師の年齢、取り扱う症例の困難さ、サービス需要、となっていた。
著者らは、「なぜこのような予測となるか」を掘り下げていくことで、医師の離職要因と背景を理解することができる可能性を指摘しており、「臨床医にとって持続可能性な、活気ある職場づくりに資する基礎的研究成果」としている。
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