米エモリー大学とジョージア工科大学の研究チームは、自然言語処理(NLP)を用いた患者メッセージの分類により、COVID-19治療の強化と迅速化につなげられる可能性を明らかにした。
COVID-19の流行とそれに伴う遠隔医療の普及が進み、米国では「患者によるEHRメッセージの送信」が200%以上増加したという。この種の電子メッセージは医師・患者間のコミュニケーションを改善する可能性があるが、大量のメッセージは効率を低下させること、医師の燃え尽きにつながるリスクなどが指摘されてきた。JAMA Network Openに掲載された研究論文によると、医師に対して「自宅検査の結果、COVID-19が陽性であったこと」を伝える患者メッセージを抽出し、治療プロセスを改善するNLPモデルをチームは開発した。このモデルは、94%の精度で患者メッセージを正しく分類でき、結果的にモデル利用無しと比べて医療者からより迅速な返答が得られること、5日以内に抗ウイルス薬の処方を受けられる可能性が有意に高まったこと、などを明らかにした。
エモリー大学医学部の学生で、本研究の筆頭著者であるNell Mermin-Bunnell氏は「我々は、自然言語処理が、COVID-19検査陽性を報告する患者のメッセージを正確かつ瞬時にトリアージし、患者の治療アクセスを改善するのに役立ったことに興奮した」とした上で、モデルがCOVID-19以外にも適用できる可能性があることを強調している。
参照論文:
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