抗体を利用した医薬品の開発を行うFusion Antibodies社と、ビッグデータの解析などを行うAnalytics Enginesが、共同でAIを利用した創薬研究を行うことを発表した。研究テーマは、主にFusion Antibodies社の研究領域であるヒト化抗体(動物が持つ抗体を人間に最適化し、医薬品として使用できるようにしたもの)を基盤とした医薬品の開発だという。
Business Wireによると、Fusion Antibodies社はヒト化抗体を開発するためのCDRxというAI技術を持っているという。このAIは機械学習によって抗体の構造や機能を予測することができる上に、抗体のデータをもとにシステム上で仮想的な実験行うことが可能だという。今回の共同研究では、データの解析を専門とするAnalytics Engines社の助けを借りることで、このAIの機能を強化し、従来に比べて短期間での創薬研究を可能にしようというものである。
OutSourcing-Pharma.comによると、CDRxは大量のデータをもとに機械学習を行い、現在はそのデータをもとに10万もの新しい抗体データを提示することができるという。Fusion Antibodies社のCEOであるPaul Kerr氏は、今回の研究でCDRxをさらにパワーアップさせることでより人間に適した抗体を作り出すことができるようになり、その抗体をもとに有用な新薬を作り出すことができるだろうと述べており、今後の発展に期待が高まっている。