英国のマーケットリサーチ会社YouGovが行ったオンライン調査から、ヘルス関連セクターで働く英国の労働者たちは、AIの台頭を「職を奪われる危機」ではなく「新しい機会」と前向きに捉えていることが明らかとなった。
PharmaTimes Onlineが報じたところによると、約2000人を対象としたこのオンライン調査では、85%が現在の職務に一切のAIを利用しておらず、半数が次年に新しいAI技術を取り入れる用意もできていないと述べたという。一方で、AIによる医学的判断より人によるものを信じると述べたのは44%にとどまり、その潜在的可能性への期待が大きいことも伺える。さらに医療産業にとってAIは「成長や投資の良い機会」と多くが捉え、AI代替による失職を恐れている傾向はみられなかったとのこと。
医療産業においても、AIを中心としたオートメーション化の波は急速に押し寄せている。倫理的側面の議論不足や法整備の遅れなどによって、医療AIの臨床現場への浸透はいまだ限定的であるものの、近い将来の一般的普及はほぼ間違いない。医療産業の労働者が「AIを恐れない」のは、常にこれを管理し責任を取るべき人の存在が必要だからなのかもしれない。