GE Healthcareは、同社の麻酔器がハッカーによる攻撃対象となった場合も、患者に直接的なリスクが及ぶことはないことを明らかにした。サイバーセキュリティファームCyberMDXが昨年、GE Healthcareの麻酔器に深刻な脆弱性があることを指摘したことにより、調査を行なっていた。
Healthcare IT Newsが15日報じたところによると、GE Healthcareは「麻酔器自体に脆弱性はないが、デバイスをネットワークに接続することは一般的に推奨していない」としているという。CyberMDXのGEに対する通達では、GE AestivaおよびGE Aspire 7100/7900において、ハッカーが麻酔薬量やアラーム設定などを遠隔操作できる可能性を指摘していた。
医療におけるAIおよびIoT技術の発達は、クラウドを含むネットワーク連携が一層加速することも意味しており、臨床現場におけるハッキングリスクは過去に例をみない高まりを示す。英国の王立麻酔科医協会(Royal College of Anaesthetists)は公式見解として「当該デバイスの利用に際してパニックとなる理由は何もない」とし、万一不測の事態となっても麻酔科医の対応でカバーできる程度の問題であることを強調している。