医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例音声から不安やうつを定量化するモバイルAIアプリ - Ellipsis Health社「Rising Higher」

音声から不安やうつを定量化するモバイルAIアプリ – Ellipsis Health社「Rising Higher」

会話音声から不安やうつを識別するAIアルゴリズムについては、各所で実用化の機運がある(過去記事)。商用レベルで業界を先行するEllipsis Health社は、AIによって音声からうつや不安症状を定量化するモバイルアプリ「Rising Higher」の一般提供を発表している。

PRNewswire掲載のプレスリリースによると、Rising Higherはクラウドベースの機械学習アルゴリズムで患者音声データからの自然言語処理とトーン解析を行い、うつ・不安といった健康状態を定量的に評価する。リスクの高い患者集団を遠隔でモニタリングし、バイタルサインの一種として医療者は臨床意思決定に活用できるようになる。アプリはApple StoreとGoogle Playで利用が開始されており、サードパーティ製アプリとの統合も可能である。

CDC(米疾病予防管理センター)のパネル調査では、COVID-19のパンデミック下では不安障害や抑うつ障害の症状を含んだ精神的・行動的な症状報告が2019年の同時期と比較して増加傾向にあるという。Ellipsis Healthの共同創設者 Michael Aratow博士は「現状の医療システムでは患者の自己申告や医療者の認識に大きく依存し、うつや不安の患者における治療開始が遅くなります。音声ベースのバイタルサインを利用し、支援を必要とする患者の早期特定と、長期的な精神状態の把握が可能になります」と語った。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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