Muse Healthcare – ターミナルケアへのAI活用事例

VNA Health Groupは、ニュージャージー州とオハイオ州に在宅医療・ホスピスなどの地域特化サービスを提供する米国最大級の非営利ヘルスケアプロバイダーである。同グループはMuse Healthcareが提供するAIシステムを全面実装し、あらゆる患者のリスク層別を実現している。

Museのテクノロジーは、臨床評価・投薬状況・バイタルサインなど種々の臨床関連データを取り込みモデル化することで、ホスピス患者のリスクを層別し「追加ケアの必要性」を医療者に警告することができる。VNA Health GroupはMuseのリスク予測モデルに基づき、個別化されたケアプランの作成と経時的な最適化を繰り返すことに成功しているという。

Museによる4日付けニュースリリースでは、VNA Health Groupで研究部門を率いるRobert J. Rosati博士の言葉として「患者が死に近づくほどその医療的ニーズが変化することを我々は実感していた。それらを適切に検出し、プラン変更を促すことのできるアプリケーションとしてMuseのテクノロジーは最適と言える」とする。同施設での実運用では「臨床医からの高い評価」を受けている点にも言及しており、ケアの質的改善をもたらす画期的システムとして現場からの期待も大きい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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