米ニュージャージー州エジソンを拠点とするHackensack Meridian HealthとGoogle Cloudはこのほど、両者のコラボレーション拡大を発表した。これにより、17の病院を含む500の施設においてGoogle Cloudの利用が開始される。Googleは医療AI開発に関して、さらなるサービス開発の足がかかりを得た形となる。
Googleが明らかにしたところによると、順次、同施設群における臨床データおよび業務データをGoogle WorkspaceとChrome Enterpriseプラットフォームに移行するとともに、AIに関する提携を強化する。Hackensack Meridian Healthは「GoogleのAIツールキットをスクリーニングや診断などの主要な臨床分野に適用し、ニュージャージー州の医療のあり方を変革する」ことを目指す。既にこれまで、同ヘルスケアプロバイダーにおけるパンデミック中のリモートワーカーをサポートするため、約3,000台のChromebookにCitrixを搭載し、医療の中核となるアプリケーションへの安全なアクセスを実現している。実際、遠隔医療の提供件数は、2019年には約8,600件であったのに対し、2020年には約200,000件までに増加したとする。
Hackensack Meridian Healthで医療統括責任者を務めるDaniel Varga医師は、「この協力により、患者ケア・治療精度・臨床転帰が改善されるとともに、効率性が向上し、医師が救命のための研究や患者のケアにより多くの時間を割くことができるようになる」と述べている。Googleは大規模データに基づくさらなるAIサービス開発と検証の機会を得て、ヘルスケアセクターにおける存在感を堅実に強めている。
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