過去一年間、機械学習によるアルゴリズムがどんどん実践的になり、おかげで骨折・糖尿病・目の病気や通風など様々な病気を簡単に発見できるようになってきた。ただ、AIが経験豊富な医者に取って代わるのは、まだまだ先のことになりそうだ。それに対して病理学におけるAIの発展の余地は大きく、生物化学・免疫学・遺伝学などの分野を統合しながら医学を推進するのにさらに一役買うだろうと中国・人工知能網が報じている。
病理学の領域には、ベンチャーだけでなく、GoogleやIBM、フィリプスなどもすでに参戦している。スライドガラス上の組織のデジタル画像を識別し、がん細胞の判別を行うアルゴリズムについての開発はますます盛んだ。現在、高校を卒業する若者のうち、たった2%の人しか病理学に興味がなく、将来この領域では圧倒的な人手不足になるといわれている。ゆえに一層AIの必要性が高まるに違いないと、病理学の専門家Andrew H.Beckは述べている。
AIの得意分野であるデータ分析を、病理学で応用することにはリスクも伴う。AIは特定の病気や病人の状態に合わせて最適な治療方法を提案することができるが、染色体・タンパク質アノテーション・健康記録などもふまえて臨床的に実用するためには、まだまだたくさんの情報を総合的に分析する必要がある。その能力こそ病理学の価値であると、Beckは強調している。