Scotland’s Rural College(SRUC)を中心とした研究チームは、顔認識アルゴリズムを利用し、豚の健康状態を評価する取り組みを行っている。豚の表情の豊かさは広く知られているが、同チームは過去の研究で「豚が表情による意思疎通を行っている可能性」も指摘していた。
英BBCが報じたところによると、研究チームは、顔認識アルゴリズムを利用し豚の満足度やストレス度合いを捉えることで、豚の健康状態を評価しようとしているという。チームが開発しているツールでは、各豚の表情を常時モニタリングし、精神的・身体的な不調を示唆する豚がいた場合、農場主に警告する機能を持つとのこと。
人間に対する顔認識システムは近年著しい技術向上がみられる一方、人権問題やマイノリティへのバイアス問題など、ネガティブな側面も多く取り上げられるようになった。獣医学領域で示された今回の取り組みは、技術の健全利用としてアカデミアを含めた多方面から前向きに捉えられている。