通信規格の高速化やAIの台頭、IoTの普及などを背景に、あらゆる局面でのインターネット利用が急速に進む現代医療においては、サイバーセキュリティの脅威が日々増している(過去記事)。遅々として進まないサイバーセキュリティ教育の現状を、ある組織が明らかにしている。
露モスクワに本拠を置くコンピュータセキュリティ企業kaperskyの最新報告”Cyber Pulse: The State of Cybersecurity in Healthcare Part 2“によると、米国・カナダにおいては、医療現場におけるサイバーセキュリティ関連法の意味するところへの理解がほとんどないという。調査では、5人に1人以上が「職場におけるサイバーセキュリティポリシー」を認識しておらず、3人に1人の医療者が「これまでにサイバーセキュリティに関するトレーニングを受けたことさえない」としている。
本メディア上でも指摘してきた通り、患者データは究極の個人情報として、今後ハッキング対象としてのリスクを高める。国・地域によらずその対策は十分とは言えず、医療者に対する徹底したサイバーセキュリティ教育の実施が強く求められている。