米国・カナダ・ヨーロッパなどの主たる放射線医学会は共同し、「医療画像へのAI活用における倫理的利用ガイドラインの策定」を求める共同声明を発表した。
学術誌Journal of the American College of Radiologyにて先週公開された同提言によると、
– 急速に広まりを見せる医療AIテクノロジーは常に長所と短所を備えること
– 放射線科領域(特に画像診断)における自立したAIシステムは、潜在的なエラーと健康格差増大を助長する可能性があること
を指摘しており、AI開発者も医師と同じく「do no harm(害を与えない)の原則」を遵守すべきとした上で、関連する倫理規範の策定が急務としている。
医療分野におけるAIスタートアップが乱立する昨今、画像解析を核としたプロダクト開発に取り組む企業は2019年も増加の一途を辿る。先月には、AIの画像診断能力が医師に劣らないことを示すメタアナリシスの成果も示されたが(過去記事)、人類の多様性を度外視するなど「適切に妥当性の検証がなされていないAIアルゴリズム」が普及することの危険性はあまりにも大きい。