コネクテッド・ビークルとディープラーニングによる交差点での衝突リスクマッピング

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ネットワークに常時接続する車両「コネクテッド・ビークル」(CV)は加速度的に台数を増やしているが、そこに搭載される専用ソフトウェアも巨大市場になることが見込まれ、近年競争が激化している。こういったCVとCVソフトウェアが提供する莫大な随時データを活用し、ディープラーニングテクノロジーによって交差点における衝突リスクをマッピングする研究が進んでいる。

米オハイオ州クリーブランドに本拠を置くケース・ウェスタン・リザーブ大学の研究チームは、学術ジャーナル Accident Analysis and Preventionに同研究における成果を報告した。研究では、774の交差点におけるリスクレベルを年間衝突率から3段階に定義し、CVデータと交通量データから抽出した24の特徴量をもってディープラーニングモデルによって予測するというもの。得られた最適モデルは高い予測精度を示すとともに、従来手法による交通安全評価のためには3年以上のデータ収集期間を必要としたのに対し、このアルゴリズムでは瞬時の評価および周囲車両との警告情報のリアルタイム共有を実現できるとしている。

研究チームは「事前情報の少ない交差点においても適切に衝突リスクを検出し、事故予防に役立てることができる」とする。日本においても、交通死亡事故のおよそ3分の1が交差点で発生する現実があり、直接的に安全性向上に資する先端技術として潜在的有用性が高い。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。