Novartis FoundationとMicrosoftが主導する新しいレポートでは、COVID-19パンデミックや他の主要な医療課題に対応、およびこれらから適切に回復していくためには、データとAIへの投資がいかに重要であるかを示した。
Novartisが9日公表したところによるとこのレポートでは、現在AIがどのようにヘルスケアに影響を与えているか、また今後各国がAIを利用することで医療システムを事前対応型から予測型、さらには予防型に変化させるのに有用なロードマップを提示するものであるという。医療従事者の不足や急速な都市化、不正確な情報などが多く潜在する低中所得国においては、医療システムに改変の余地が大きく、特にAIの恩恵を享受しやすいとする。また、COVID-19パンデミックへの対応は、いかにグローバルヘルスが大きくデータに依存しているかを示しており、適切なデータベース構築を進めること、利用可能なデータセットを相互運用できるようにすることが欠かせない点を指摘する。
このワーキンググループで共同議長を務めたNovartis FoundationのAnn Aerts氏は「多くの国で、既存の感染症および慢性疾患の負担は増大し続けており、COVID-19など新興疾患に対処するだけの準備はできていない。こういったなか、デジタルテクノロジーとAIは医療システムを再構築するための不可欠な要素と言える」とし、AIはコスト削減と医療アクセスの向上を通した「患者アウトカムの改善」を導けることを強調する。