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ロケーションベースのCOVID-19曝露リスクを算出するAIアプリ

Parkland Center for Clinical Innovation(PCCI)は、テキサス州ダラスの住民に向け、リアルタイムのロケーションデータから「COVID-19曝露リスク」を示すAIアプリケーションをリリースした。

PCCIが27日明らかにしたところによると、MyPCIと呼ばれるこのアプリでは、ジオマッピングとホットスポットテクノロジーに基づき、COVID-19症例の発生状況と特定地域における人口密度からロケーション単位でのCOVID-19曝露リスクを算出できる。特徴となるのは、このアプリが個人の健康情報等を求めず、位置情報についても当人のリスク評価を生成する目的にのみ利用され、利用者からの情報収集を一切行わない点にある。PCCIのCEOであるSteve Miff博士は「パンデミックのコントロールと感染防御の観点から、引き続き近接性は重要な要素となる。MyPCIは使いやすいアプリで、COVID-19曝露リスクを理解した上でのソーシャルディスタンス・マスク・手洗いなどの必要性を促すことができる」とする。

50万人を超える患者データ分析により、近接性が一定値を超えることで感染リスクが7倍以上となる基礎分析に基づき、MyPCIは開発され、このほどの一般公開へと至っている。MyPCIはダラス住民を対象として無料配布されており、新しいデジタルツールアプローチがローカルなパンデミック抑止に効果を示すか、大きな関心が集まっている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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