Lucida Medical社の前立腺がんMRI診断AI「PI」が欧州CEマークを取得したことは以前に紹介した(過去記事)。同社は英国NHSが運用するハンプシャー病院(HHNFT)主導のもと、臨床試験「PAIR-1: Prostate AI Research-1」の開始を発表している。
Lucida Medical社によると、同研究では最大2,100人の前立腺がん患者記録から、AIソフトウェアの調整と性能検証を行う。「前立腺がんの見逃しと過剰な生検を低減する」という予備調査の結果に対し、今回の後ろ向きコホート研究によってさらなるエビデンス構築が進むか、NHS病院が保有する高品質なデータに基づく成果が期待される。
英国では毎年4.7万人の男性が前立腺がんと診断され、1.1万人が亡くなっているという推計がある。前立腺MRI検査に必要とされる医療資源の大きさや診断精度のばらつきは、NHSにとって前立腺がん検診にMRIを導入する障壁となっている。AIによる診断プロセス改善の可能性は、領域を問わず今後ますます注目されていくだろう。
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