米マウントサイナイ医大 – AIヘルス学部を新たに創設

マウントサイナイ医科大学はこのほど、次世代の優れた医療科学者を育成し、医療システムの随所に「有効なAIフレームワークを確立」することを目指した新しい学部の設立を公表した。全米屈指の名門医大が示した先進的なプロジェクトは、業界の大きな注目を集めている。

同大学の発表によると、「Department of Artificial Intelligence and Human Health」と名付けられた新学部は、医学とコンピュータサイエンスのさらなる融合を目指したカリキュラム構成を取る。ヘルスセクターでのAIについて包括的な知識体系を構築することを狙い、機械学習の理論、医療機器やロボット機器、センサーを用いたデジタルヘルスなどの最先端技術を取り扱う。また、これらのコースやセミナーに加え、医学生が1年間に渡ってAIプロジェクトに取り組むことができるAIフェローシップも用意される。さらに、マウントサイナイ医科大学では、すべての医療および生物医学分野において適用される、AIを活用した「インテリジェント・ファブリック構想」を持つ。これは随所にAIフレームワークを取り込む思想で、地域レベルでの生産性と意思決定支援、病院レベルでの戦略的意思決定、患者レベルでの個別サービス、等の質的向上を図るもの。 

学部長のThomas J. Fuchs氏は声明で、「人工知能を監視やプロパガンダのために悪用するディストピア的な手法には、今後も積極的に反対していかなければならない。だが、医療分野では既に、AIを使わないために患者が亡くなっていることさえ明らかだ」と述べ、AIの価値は基礎的な有効性の議論を超え、適切な臨床実装の方法を検討するフェーズにあることも強調している。

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