Sanolla社「VoqX」- AI対応の超低周波聴診器

イスラエル発スタートアップ「Sanolla社」は、人間の耳では聴取が難しい「超低周波(infrasound)」をAI聴診器で拾うことで、可聴域だけでは得られない診断情報を検出する次世代技術の開発を進めている。超低周波情報によって、心疾患・呼吸器疾患の増悪を早期に検出するなど、健康管理手法の変革が期待される。

Sanolla社は、同社の超低周波対応AI聴診器「VoqX」が米食品医薬品局(FDA)の臨床使用認可510(k)を取得したことを発表している。VoqXは3〜40Hzの低周波情報を解析するAIアルゴリズムを備え、慢性閉塞性肺疾患(COPD)・肺炎・喘息・各種心疾患などの分類を行う。さらにノイズキャンセリング技術と組み合わせることで、従来の聴診器では成し得なかった聴診体験の提供を目指す。

VoqXの臨床使用と並行し、Sanolla社は慢性心疾患・肺疾患の検出と管理を行う家庭用モニタリングデバイス「PyXy」の開発も行っている。これらの新技術をSanolla社は「The Sounds of Life」と総称し、従来型の聴診手法の置き換えを目指す。同社は、2022年夏にラウンドA資金調達の開始を予定している。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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