P&S Intelligenceが23日公表した最新の市場調査レポートによると、医療画像向けAIの市場規模は2021年現在の10.9億ドル(1484億円)から、119.2億ドル(1.6兆円)と10倍超になるという。市場成長の牽引要素として、慢性疾患症例の増加、高齢者向け医療サービスのニーズ急増、医療業界における雪だるま式の研究開発投資を挙げている。
医療画像向けAI市場をモダリティ別にみた場合、現在、CT画像の収益シェアが約30%で最大とされているが、この傾向は今後10年間にも変化は無く、同市場をリードするとしている。これは、心血管疾患やがんの有病率増加、およびAIを統合した画像処理ソリューションのニーズ増加によって説明されるという。また、成長率でみた場合は、同期間でMRIが最も大きな成長を示す。空間分解能に優れたMRIの特徴から、AIによってさらに詳細な解剖学的特徴を画像化することで、ケアの質的向上が期待できる点がこの成長の主因となる。
エリア別では北米市場が最大シェアを占めるが、この傾向はやはり2030年までも継続しそうだ。レポートでは、北米が先端技術の取り入れに積極的であることと、重要なプレイヤーが存在することを挙げている。成長率からはアジア太平洋地域を取り上げているが、中国・インドに比べて日本の存在感が希薄であることはやや残念に感じられる。CT・内視鏡をはじめ、医療画像大国である日本の今後にもぜひ期待したい。
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