EUは23日、AIを使った技術革新と早期がん診断のさらなる加速のため、がん画像データを大規模に収集・集約する新プロジェクトの開始を明らかにした。
欧州委員会は声明で、この「European Cancer Imaging Initiative」により、臨床医や研究者、その他のイノベーターが「大量のがん画像データに容易にアクセスできる」ようになるとしている。EUのデータ戦略に沿ったこのプロジェクトは、GDPR(EU一般データ保護規則)と呼ばれるEUのデータ保護法に準拠し、プリバシーを保護した上で、国境を越えた相互運用を可能とする安全なインフラ確立を目指す。医学研究のイノベーション、特にAIを利用した新技術開発における「大規模データセットによるトレーニング」を実現しようとする。
EU保健委員会のStella Kyriakides委員は、立ち上げのためのスピーチで「デジタル技術ががんの発症メカニズムに関する理解を変えつつある」と述べた。この新しいデータプロジェクトは、乳がん・子宮頸がん・大腸がんの定期検診を、対象となる欧州住民の90%に拡大するというEUの既存戦略と連携する。
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