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スマホを聴診器に – FDA認可のAIソフトウェア「Stethophone」

カナダ・ニューファンドランド州に本拠を置く「Sparrow BioAcoustics」が開発したAIソフトウェアは、市販のスマートフォンを医療用聴診器として利用することを可能にする。

同社は6月、当該ソフトウェア「Stethophone」が米食品医薬品局(FDA)の認可(クラスII医療機器)を受けたことを明らかにしている。スマートフォンにダウンロードして利用可能なStethophoneは、高度な音響処理技術により、スマートフォンに高感度な心臓・肺の聴診機能を提供するもの。スマートフォン単体で利用でき、他のデバイスを接続するなどの必要性が無いことが最大の特徴で、スマートフォンのマイク部分を患者の胸に押し当てて使用する。

同社CEOのMark Attila Opauszky氏は「我々の目標は、心臓や肺の症状がいつ・どこで発生しても、迅速に検出できるようにすることだ。心音・肺音には診断に必要な情報が多く含まれており、医療機関はこのデータを日常的に取得し、患者のために活用する実用的な方法を必要としている」と述べており、Stethophoneが新しい病変検出・モニタリング手法を提供する可能性を強調している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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