Meticulous Researchが公表した最新の調査レポート「Artificial Intelligence in Medical Diagnostics Market」によると、医学的診断におけるAI市場は2029年までに93.8億ドル(約1.28兆円)規模に到達し、期間中の年平均成長率(CAGR)は36.2%に及ぶとしている。
AIベースのソフトウェアソリューションは、診断プロセスに付随するデータを分析し、医療画像を含む多様な検査結果の異常に対しフラグを立て、患者トリアージを支援することができるもの。診断プロセスの一部自動化を通して医療従事者の作業負担を軽減するほか、診断品質向上に資する多くの知見が集積している。レポートでは、医学的診断におけるAI市場の主な拡大要因は、診断におけるエラー率の高さ、医療従事者の不足、慢性疾患有病率の増加により、診断におけるAI導入ニーズが高まっていることを挙げる。また、新興国での高い成長性、業界を超えたパートナーシップやコラボレーションの増加などが、同市場に大きな成長機会をもたらすと予想している。
市場成長の阻害因子としては、AIへの信頼性を筆頭に挙げたほか、規制上の障壁や患者データに関するプライバシーおよびセキュリティの懸念、などを示している。また、近年の大きなトピックとして新型コロナウイルス感染症の拡大を取り上げ、「パンデミックが診断AIの導入加速を後押しした事実」も指摘している。
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