医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例AIを巡る医療経済・政策「診断AIの市場規模」は2029年までに93.8億ドルへ

「診断AIの市場規模」は2029年までに93.8億ドルへ

Meticulous Research公表した最新の調査レポート「Artificial Intelligence in Medical Diagnostics Market」によると、医学的診断におけるAI市場は2029年までに93.8億ドル(約1.28兆円)規模に到達し、期間中の年平均成長率(CAGR)は36.2%に及ぶとしている。

AIベースのソフトウェアソリューションは、診断プロセスに付随するデータを分析し、医療画像を含む多様な検査結果の異常に対しフラグを立て、患者トリアージを支援することができるもの。診断プロセスの一部自動化を通して医療従事者の作業負担を軽減するほか、診断品質向上に資する多くの知見が集積している。レポートでは、医学的診断におけるAI市場の主な拡大要因は、診断におけるエラー率の高さ、医療従事者の不足、慢性疾患有病率の増加により、診断におけるAI導入ニーズが高まっていることを挙げる。また、新興国での高い成長性、業界を超えたパートナーシップやコラボレーションの増加などが、同市場に大きな成長機会をもたらすと予想している。

市場成長の阻害因子としては、AIへの信頼性を筆頭に挙げたほか、規制上の障壁や患者データに関するプライバシーおよびセキュリティの懸念、などを示している。また、近年の大きなトピックとして新型コロナウイルス感染症の拡大を取り上げ、「パンデミックが診断AIの導入加速を後押しした事実」も指摘している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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