医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例疾患予防へのAI活用事例「12時間の血糖モニタリング」で糖尿病リスクを識別

「12時間の血糖モニタリング」で糖尿病リスクを識別

連続グルコースモニタリング(CGM: continuous glucose monitor)は、皮下に留置したセンサーからリアルタイムで血糖値を測定し、連日の血糖値変動を観察するものだ。CGMは患者の血糖管理の他、糖尿病の精密な診断にも活用されている。米Klick Applied Sciences社は、12時間に限ったCGMデータから、AI手法によって糖尿病/糖尿病予備軍/健常を判定する研究成果を発表している。

本研究成果は、NeurIPS 2022年次総会のワークショップで発表された。約600名の患者にCGMデバイスを装着して構築された機械学習モデルは、12時間の血糖値データに基づき、糖尿病/予備軍/健常をAUC 0.83/0.69/0.77の精度で識別できるとしている。平均12日間の検証期間の中で、12時間モデルはより長期間のモデルと同等の精度を示すことができたため、チームでは高精度の分類を実現する最小時間を12時間と設定した。

本研究を主導したKlick Applied Sciencesの主任研究員Jouhyun Jeon氏は「12時間という時間枠は大きな前進だ。多くの先行研究では10〜14日分の血糖測定値を用いており、また、その分析には専門家を必要とする。我々の研究成果は、12時間モニタリングによって、糖尿病発症リスクのある人々の生活に対し、修正の猶予があるうちに大きな変化をもたらせる可能性を示している」と語った

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