バイデン米大統領は就任以来、AIがもたらす大きな可能性を捉え、リスク管理の重要性にフォーカスしてきた。バイデン大統領の「大統領令14110」は、「安全、安心、信頼できる人工知能の開発と使用」を確実にするため、米国保健福祉省(HHS)が責任を負う多くの行動を含む、数十の行動を概説している。14日、バイデン政権は、より広範なコミットメントの最新版として、AIが安全かつ責任を持って医療に導入されることを保証するための新たな取り組みを発表した。
これは、大手ヘルスケア事業体の自発的コミットメントを示すもので、ヘルスケアにおける責任あるAIの確保に向けた重要な一歩となる。署名した事業体群は、医療の公平性を高め、アクセスを拡大し、医療をより安価にすることを目指す。また、より協調的なケアによってアウトカムを改善し、患者の経験を改善、臨床医の燃え尽きを減らすことによって、医療の提供と支払いを最適化するためのAIソリューションを精力的に開発するという。さらに、HHSのHealth Data, Technology, and Interoperabilityで確立され参照されている、「公正、適切、妥当、有効、安全(FAVES)」なAIの原則に沿った成果を確保するため、同業者やパートナーと協力すること、コンテンツの大部分がAIによって生成され、人によるレビューや編集が行われていない場合、利用者に通知するメカニズムを導入すること、フロンティアモデルによるアプリケーションの包括的な追跡、潜在的な危害の説明とそれを軽減するステップを含むリスク管理の枠組みを遵守すること、AIの研究、調査、開発を迅速かつ責任を持って行うこと、などが含まれている。
AIに対するこれまでの米国政府の規制アプローチや、民間企業による自主的なコミットメントの発表といった民間セクターとの交流は、そのほとんどが「供給側」の技術開発者による責任あるAIに焦点を当てたものだった。今回発表されたコミットメントは、”需要側”の事業体、具体的には、医療活動において自ら使用するためにAI対応技術を開発、購入、導入する医療提供者や支払者のものとなる。
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