糖尿病の罹患率と有病率は世界的に上昇し続け、後者は2010年から2030年までに発展途上国で69%、先進国で20%増加すると推算されている。カナダ・トロント大学の研究者らは、オンタリオ州の住人210万人の2006年から2016年までのデータから、「5年以内の2型糖尿病発症リスクを予測する機械学習モデル」を構築する研究に取り組んでいる。
トロント大学のニュースリリースによると、同大で開発された機械学習モデルは5年以内の2型糖尿病発症を約80%の精度で予測(AUC 0.8026)することができた。研究成果はJAMA Network Open誌に掲載されている。このモデルで高リスクと予測された上位5%の患者は、オンタリオ州で糖尿病に費やされる年間医療費の26%を占めていた。
2型糖尿病の大半は予防可能であるため、発症リスクが高い者を特定し早期介入を行うメリットは非常に大きい。研究の責任者でトロント大学の公衆衛生大学院准教授であるLaura Rosella氏は「この研究は2型糖尿病の蔓延を食い止める為、健康の社会的決定要因を精査することがいかに重要かを示している」とも語っている。
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