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冠動脈CTAへのAI利用 – プラークの定量と心臓発作リスク予測

心臓の冠動脈に蓄積するプラークは、心筋への血流を妨げ心臓発作のリスクを高める。冠動脈造影CT(CTA)という画像検査から冠動脈プラークの定量が行われるが、専門家の労力を要するその工程に対し、より簡便・迅速・自動化された手法が求められている。米シダーズ=シナイ・メディカル・センターの研究チームは、プラーク測定を自動化し、得られた測定値から心臓発作リスクを予測するAIツールを開発している。

The Lancet Digital Healthに発表された同研究では、アルゴリズムによってCTAの3D画像から冠動脈の輪郭を描き、血管内の血液とプラーク沈着を特定している。このツールで得られたプラーク量の測定値は、専門医がCTAから手動で測定する結果と高度に一致し、高精度な侵襲的検査である血管内超音波検査および冠動脈カテーテル造影検査とも一致する結果を示した。さらに研究チームは、CTAから5年以内の心筋梗塞リスクを評価した「SCOT-HEART試験」の参加者1,611名にツールを適用し、同等のリスク評価ができることを確認した。

シダーズ=シナイのインタビューに対し、本研究の著者Damini Dey博士は「専門家で最低25〜30分ほどかかっていた冠動脈プラーク測定を、このプログラムによって5〜6秒で定量化できるようになった」とツールによる恩恵を説明している。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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