近年、Googleは「AIによるヘルスケアイノベーション」に精力的に取り組んできた。「公平で高品質なヘルスケア」に主眼を置き、技術による治療アクセスの改善に努めている。Google Healthが手がけるイベント「The Check Up」では、AI関連の研究開発や、その進捗についてが広く明らかにされた。
Googleが手がけた初期プロジェクトでもあるARDAは、糖尿病性網膜症の新しいスクリーニングシステム構築を目指してきた。現在日々350人の患者を継続的にスクリーニングしており、累計で10万人にも及ぶスクリーニング実績を有する。タイの国家主導型研究計画では、同システムの有効性について大規模な前向き検証を実施し、ARDAの正確性と臨床的有効性が明らかにされたとする。また、ディープラーニングによって、眼底画像から心血管疾患リスクを推定できることを示した研究成果は、その後多数の関連研究を生み、科学的エビデンスへの価値ある貢献ともなった。
Googleはスマートフォンカメラで心拍数や呼吸数を計測できる機能を2021年に公開しているが、The Check Upで大きな関心を集めたのは、スマートフォン内蔵マイクによって聴診し、心臓弁膜症をスクリーニングできるというものだ。現時点で臨床試験の初期段階ではあるが、医師による聴診プロセスが無ければ、基本的に検出されることが無かった疾患群となるため、潜在的患者の抽出と早期介入を実現する手法として研究成果への期待は大きい。
その他にも、妊婦健診での超音波診断へのAI活用など、多面的な研究成果と進行状況が共有されている。詳細は公式ホームページを参照のこと。
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