Fitbitとテキストベースのヘルスコーチングによるデジタルヘルスプログラムが、10代の若者の身体活動量を向上させたとする研究成果が公表された。米テキサス工科大学などの研究者らによる本研究論文は、JMIR Pediatrics and Parentingからこのほど公開されている。
研究論文によると、13歳から18歳までの肥満傾向にある28名を対象とし、12週間のプログラム期間中、1時間の活動または10,000歩を日々の目標として介入した。ウェアラブルデバイスによる活動量モニタリングに加え、テキストベースのコーチングを継続して行なっている。また、プログラムには「週ごとの個人目標」の設定があり、目標達成では現金によるインセンティブを受け取ることができる。結果、研究参加者は平均して7週間は活動目標を達成しており、またFitbitの日毎装着率は90%を超えていた。著者らは「デジタルヘルスプログラムによる介入で、活動時間に有意な改善がみられたこと」を強調している。
近年、ウェアラブルデバイスを用いた健康プログラムは多数提唱され、一定の成功をみているが、社会経済的地位の低い群で有効性が乏しい可能性が示されるなど、対象者とそれに応じたプログラム設計の重要性が指摘されている。本研究はサンプルサイズが小さく、一般化可能性の議論に制限はあるが、若年者に対する有効なモニタリング手法の一案として、また金銭的インセンティブの生むモチベーション向上効果について示唆的な論文とも言える。
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