大腸がん検診は多大な科学的エビデンスに支えられ、悪性所見の早期発見、および生命予後の改善に大きな役割を果たしている。しかし、対象となる患者の多くが大腸がん検診を受けていない現実がある。
米ペンシルバニア州に本拠を置く大規模ヘルスケアプロバイダーの「ガイシンガー・ヘルス・システム」は、Medial EarlySign社との協働により「大腸がん検診の受診期限を過ぎた患者を特定し、機械学習アルゴリズムを用いて患者情報から最もリスクの高い者にフラグを立てる」取り組みを行なっている。研究成果は、NEJM Catalyst Innovations in Care Deliveryからこのほど公開された。本研究論文によると、このAIアルゴリズムによって「フラグを立てられた患者」の68.1%が大腸内視鏡検査の検査予定に結び付き、およそ70%には有意な所見が見つかったとしている。
本取り組みの中では、AIによるリスクスクリーニングの結果を電話で看護師が説明する、というプロセスを取っている。一方、これまでは大腸がん検診の受診勧奨に効果的なアプローチは限られていたため、州・国家規模でのヘルスケア向上に向けた巨大な一歩として注目を集めている。
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