AIによる「大腸がん検診の受診勧奨」

大腸がん検診は多大な科学的エビデンスに支えられ、悪性所見の早期発見、および生命予後の改善に大きな役割を果たしている。しかし、対象となる患者の多くが大腸がん検診を受けていない現実がある。

米ペンシルバニア州に本拠を置く大規模ヘルスケアプロバイダーの「ガイシンガー・ヘルス・システム」は、Medial EarlySign社との協働により「大腸がん検診の受診期限を過ぎた患者を特定し、機械学習アルゴリズムを用いて患者情報から最もリスクの高い者にフラグを立てる」取り組みを行なっている。研究成果は、NEJM Catalyst Innovations in Care Deliveryからこのほど公開された。本研究論文によると、このAIアルゴリズムによって「フラグを立てられた患者」の68.1%が大腸内視鏡検査の検査予定に結び付き、およそ70%には有意な所見が見つかったとしている。

本取り組みの中では、AIによるリスクスクリーニングの結果を電話で看護師が説明する、というプロセスを取っている。一方、これまでは大腸がん検診の受診勧奨に効果的なアプローチは限られていたため、州・国家規模でのヘルスケア向上に向けた巨大な一歩として注目を集めている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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