AIへの投資を拡大する米医療システム

米ニューヨークを拠点とする大規模医療システムであるNorthwell Healthは、近年医療AI領域への強い関心を隠さず、同組織の投資部門であるNorthwell Holdingsを介した投資活動を活発化している。

Northwellはこのほど、音声や表情の理解を目指したAIツール開発を手掛ける「Hume AI」への300万ドルに及ぶ資金投資を明らかにした。Hume AIは、「何を話すか」だけではなく、音声や表情に基づき「どのように話すか」をAIアプローチによって解析することで、新たな臨床的価値を見出そうとしている。Northwellは昨年、Aegis Venturesとの提携によりヘルスケア領域におけるAIに焦点を当てたジョイントベンチャーを立ち上げているが、Hume AIはAegis Venturesのポートフォリオ企業でもある。

Northwellは本年4月、医療AI企業における開発と商業化を支援する「Ascertain」(過去記事)もスタートさせた。自機関に対しては、クラウド技術とAIによる管理ワークフローの自動化を徹底するため、Google Cloudとのパートナーシップも発表するなど、率先した技術の取り込みを続けている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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