欧州議会が本年3月に可決したAI規制法案について、欧州連合(EU)は21日、これを承認した。来月発効する。世界初の包括的なAI規制法となり、世界基準となることが見込まれる。
同法は、AIを活用したデジタルヘルスツールの開発者および導入者に対しても、高リスクAIシステムなどに新たな要件を適用することになる。法律の条文は入手可能であり、非常に読みやすい文体で書かれている一方、AI法がEU内外のデジタルヘルスの状況にどのような影響を与えるかについては、まだ多くのことが分かっていない。曖昧な文言が多く、多くの場合、高レベルの目標が記載され、詳細は関連するガイダンスや基準、加盟国の法律や政策に後ほど記載される。また、この法律が既存の医療AIの分野別法とどのように交差するのかも不明となっている。
AI法では高リスクAIシステムに厳格な透明性義務を課すが、汎用AIモデルについての透明性要件は比較的軽いことも特徴となる。AI法への違反は、最大で3500万ユーロ、または全世界売上高の7%のいずれか高い方という、高額の制裁金が科される。2年後の2026年に本格適用される見通しで、世界的な医療AI市場への影響にも関心が集まる。
関連記事: