ニュージーランドのオークランドを拠点とし、世界有数の医療IT企業であるOrion Healthはこのほど、サウジアラビア向けに「世界最大規模の医療情報交換(HIE)システム」を構築することに合意した。HIEは、病院システムや地域コミュニティなど、異なる組織間での「患者医療情報を電子的に共有」するもの。
Orion Healthが公表したところによると、このHIEでは5,000を超える公的および民間医療機関からデータフィードを取得し、患者個々人の単一かつ包括的なビューを作成する。開設当初は3200万人をカバーし、順次その範囲を広げることで、5000万人以上への対象拡大を予定している。Orion HealthのCEOであるIan McCrae氏は「世界的に見ても、薬歴や検査結果、診断名、病歴などに関する詳細な情報を得ないまま、診療活動をせざるを得ない臨床医があまりにも多い。これは究極的には患者の健康を害し、場合によっては深刻な結果を招くこともあるものだ」とし、HIEの重要性を強調する。
サウジアラビアは情報技術による医療革新に強い意欲を持っており、今回のHIEシステム構築に併せ、AIを利用した大規模な疾病発生の予測、慢性疾患の自律分析を通して、効果的な管理を実現する「医療データのエコシステム」を構築することも主題の1つとしている。
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