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顔の血流から糖尿病予備軍をスクリーニングするAI

カナダ・トロントをベースとする医療AI企業であるNuraLogix過去記事)は、自撮り動画データからバイタルサインを測定する経皮光学イメージング(TOI)技術で注目を集めている。同社のアプリ「Anura」は、顔の血流情報から30種以上のパラメーターを測定可能とし、実証を進めている。

NuraLogixは測定パラメーターの1つとして、顔の血流パターンから、糖尿病の診断指標となる「HbA1c」と「空腹時血糖値」を予測するAIモデルを発表した。同モデルは「HbA1cが5.7%以上」および「空腹時血糖が5.5mmol/L」の予測においてAUC>0.80の精度を達成している。この研究成果は、前糖尿病(糖尿病予備群)患者のスクリーニングへの活用を期待できるもので、将来的に規制当局の承認を得ることを同社では計画中とのこと。

NuraLogixの研究ディレクターであるNaresh Vempala氏は「非接触で顔の血流パターンと糖尿病リスクとの関係を学習できた我々のモデルは、これまで存在しなかったものだ。このAIモデルは、日常的に人々の健康をモニターすることで、糖尿病の早期発見と予防を可能にする」と語った。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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