カナダ・トロントをベースとする医療AI企業であるNuraLogix(過去記事)は、自撮り動画データからバイタルサインを測定する経皮光学イメージング(TOI)技術で注目を集めている。同社のアプリ「Anura」は、顔の血流情報から30種以上のパラメーターを測定可能とし、実証を進めている。
NuraLogixは測定パラメーターの1つとして、顔の血流パターンから、糖尿病の診断指標となる「HbA1c」と「空腹時血糖値」を予測するAIモデルを発表した。同モデルは「HbA1cが5.7%以上」および「空腹時血糖が5.5mmol/L」の予測においてAUC>0.80の精度を達成している。この研究成果は、前糖尿病(糖尿病予備群)患者のスクリーニングへの活用を期待できるもので、将来的に規制当局の承認を得ることを同社では計画中とのこと。
NuraLogixの研究ディレクターであるNaresh Vempala氏は「非接触で顔の血流パターンと糖尿病リスクとの関係を学習できた我々のモデルは、これまで存在しなかったものだ。このAIモデルは、日常的に人々の健康をモニターすることで、糖尿病の早期発見と予防を可能にする」と語った。
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