マッキンゼーとハーバード大学の研究者らによる新しい報告によると、AIが医療においてさらに広く採用された場合、米国では年間最大3600億ドル(46.8兆円)を節約できる可能性があるという。
レポートの中で研究者らは、AIの広範な採用により医療費の5-10%、すなわち年間およそ2000-3600億ドルの節約につながると推定する。驚くべきことに「この試算は今後5年以内に達成可能」としており、医療の質やアクセスを犠牲にすることなく、現実に存在する技術によって実現可能な試算という。民間支払機関は総コストのおよそ7%から9%を削減でき、今後5年間で800億ドルから1100億ドルの年間コスト削減、病院は4%から11%で、年間600億ドルから1200億ドルの節約になると報告書は推定する。
ヘルスケアにおけるAIの潜在的なメリットや、この分野での資金調達の高まりにも関わらず、医師による臨床利用はまだ限定的となる。一方で、食品医薬品局(FDA)は医療用AIツールの認可を加速させており、2022年11月時点で520以上のデバイスを認可している。実環境におけるAIの有効性に関するより多くのエビデンスが顕在化しており、2023年が医療AI導入の変曲点になる可能性がある。
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