ウイルス変異を予測するAIツール

米ハーバード大学と英オックスフォード大学の研究者らが開発した「EVEscape」と呼ばれるAIツールは、新型ウイルスが出現する以前にこれを予測することができる。

11日、Natureから公開された研究論文によると、EVEscapeには2つの要素があるという。ウイルスに起こりうる変化を予測する進化配列モデルと、ウイルスに関する詳細な生物学的・構造的情報だ。これらを組み合わせることで、EVEscapeは「ウイルスが進化する際に最も起こりそうな変異体」について予測を立てることができる。このツールは、SARS-CoV-2だけではなく、HIVやインフルエンザを含む他のウイルスについても正確な予測を行ったとしている。

研究者らは現在、EVEscapeを使ってSARS-CoV-2を予測し、今後懸念される変異型を予測している。最終的には、得られた情報は「より効果的なワクチンや治療法」を開発することに役立つ可能性が高い。

参照論文:

Learning from prepandemic data to forecast viral escape

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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