自然言語処理による早期肺がん検出プロジェクト

非構造化医療メモの分析AIを開発するClinithinkはこのほど、アストラゼネカとのパートナーシップにより、治療効果の高い肺がん患者をより早期に発見することを目的とした新しいプロジェクトを開始した。

肺がんは英国で2番目に多いがんであり、毎年3.5万人が亡くなる。英国政府が掲げる「がん10ヵ年計画」では、腫瘍種に関わらず、がんの75%をステージ1または2で発見することを目指している。Clinithinkは、プロジェクトの第一段階として、患者の非構造化電子カルテのレトロスペクティブ分析を行い、機械学習および自然言語処理技術を使用し、疾病の初期段階にある有症状者と無症状者の両方を識別することが可能か、費用対効果が十分に高いかを検証する。高リスクの患者をより早期に、より治療可能な段階で特定することにより、生存率を向上させ、必要な治療強度を低減させる予測モデルを開発することを狙う。

アストラゼネカの資金提供によって進められるこのプロジェクトは、本来、英国におけるスクリーニングの対象外になり、積極的検査の対象ではない55歳以下の患者特定に大きな役割を果たす可能性がある。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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