医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療AIがもたらす影響・問題点ウクライナ侵攻 - 医療機関へのサイバー攻撃に関する懸念

ウクライナ侵攻 – 医療機関へのサイバー攻撃に関する懸念

ロシアによるウクライナ侵攻が報じられ、世界に恐怖が広がる一方、米国病院協会(AHA)は「病院施設におけるサイバーセキュリティに関する潜在的な影響と懸念」を表明した。同協会はロシアの目的推進のため、米国やその他の国々に対する報復措置の一環として、医療業界を対象とする可能性を指摘している。

ロシア政府はジョー・バイデン大統領の対露制裁に対し、「傷つきやすい米国資産」を標的にするとして、「強い、痛みを伴う対応」について警告を発している。AHAがこのほど公表したところによると、この対象が病院・医療システムとなる可能性が排せないとする。AIやIoT技術の取り込みが急速に進む医療現場では、サイバー攻撃への脆弱化が常に指摘されてきた。AHAは独自の取り組みとして、サイバーセキュリティリスクに関する協会顧問であり、FBIサイバー部門の元幹部であるJohn Riggi氏が、米国医療にリスクをもたらす可能性のある関連脅威に関して、FBI・CISA・保健福祉省と緊密に連携している、とする。

AHAの会員組織に対しては、1. 異常なトラフィックに対するネットワーク監視の強化、2. マルウェアを含むフィッシングメールに対する職員の意識向上、3. ウクライナおよびその周辺地域から発信される、または関連する全てのインバウンドおよびアウトバウンドトラフィックに対するジオフェンシングの実施、 4. 内部およびサードパーティの基幹臨床・運用サービスおよび技術の確認と、事業継続計画およびダウンタイム手順の導入、5. サイバーインシデント対応計画の文書化・更新・実践 などを求めている。  

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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