検体検査を主とした臨床検査を担当する「臨床検査室」は、健康データの収集・保存・解析を担う実務家で構成され、近年はその専門性にデータサイエンスが取り込まれようとしている。世界医学検査学会(IFBLS)は、臨床検査技師をMedical Technologistではなく「Biomedical Laboratory Scientist」と呼称することを推奨し、生体情報に関する科学者としての側面を強調してきた背景もある。
American Association for Clinical Chemistry(AACC)は臨床検査医学を通じた健康向上を目指す国際団体で、AACCが2016年に創刊したThe Journal of Applied Laboratory Medicineは、臨床検査医学の応用研究を紹介する査読付き国際ジャーナルとして知られる。今月発刊の特集号では、臨床検査室がどのようにデータサイエンスを取り込んでいるかを示す種々の研究成果が公開されている。
編集者で検査医学におけるデータサイエンスの専門家でもあるNiklas Krumm氏は、「臨床検査室は健康データ分析における主導的な役割を担ってきた」とした上で、本特集が「臨床検査室による直近の顕著な進歩」にスポットライトを当てていることを強調し、広く関係者の目に触れ、理解の進むことを期待している。
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