スマートウォッチやフィットネストラッカーを含む、ウェアラブルの活動量計(アクティビティトラッカー)は人々の健康を改善する ー アデレードに本拠を置く南オーストラリア大学の研究チームは、数百報の先行研究に基づくメタアナリシスから興味深い知見を明らかにした。研究成果はこのほど、The Lancet Digital Healthから公開されている。
チームの研究論文では、アクティビティトラッカーを用いて身体活動をモニターした先行研究群に基づき、これらに含まれる16.4万人のデータを統合した系統的レビューおよびメタアナリシスを実施している。結果、ウェアラブルのアクティビティトラッカーは、ユーザーに対して毎日最大40分(歩数にして約1,800歩)程度を追加的に歩くよう促しており、「5ヶ月の利用期間で平均1kgの体重減少をもたらす」ことを明らかにした。
著者らは「アクティビティトラッカーの利用が、糖尿病や高血圧をはじめとする生活習慣病、および心血管疾患・脳血管疾患などの重要疾患発症のリスク低減に直結する可能性があること」を強調している。興味深いことに、本研究成果は若年など特定の年代にのみ効果を示すものではなく、幅広い年齢層においてその効果が共有されている。個人ごとはもとより、集団の健康を考える上でも示唆的な研究成果であり、組織的な健康増進プログラム策定にとって価値ある知見を加えている。
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