医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療AIがもたらす影響・問題点リウマチ専門医はAIトレンドに対応できているか?

リウマチ専門医はAIトレンドに対応できているか?

高齢化を背景としてリウマチ治療への需要が伸び続ける一方で、リウマチ専門医には診療報酬の変化、業務管理、労働力不足などに伴うプレッシャーがかかっている。Cardinal Health社は米国のリウマチ専門医85名以上への調査結果をまとめた最新版のレポート「Rheumatology Insights」において、彼らが業界変動にどのように対処しているかを報告している。

その結果のひとつとして、調査回答者の半数以上(56%)が「リウマチ領域におけるAIの活用についてあまりよく知らない」と回答しており、「今後3年間でAIがリウマチ治療に大きな影響を与える」と考える回答者は4分の1以下(24%)であった。レポートでは、リウマチ専門医は全体としてAI/機械学習に対する知識が不足しており、ツールの価値に懐疑的であるとのコメントがあった。

調査結果全体からは、米国のリウマチ専門医が直面している最大の課題は「診療報酬の低下」であることが浮き彫りとなっている。その課題解決にAIが活用される局面として、業務効率性の向上、財務管理の予測、患者の治療計画遵守、症状悪化の予測、臨床意思決定といったものがあがる。リウマチ専門医のサポートにおいて、テクノロジーが果たす役割に関連し「業界全体としてはより多くの教育機会を必要とし、早期に機会を捉えた医療従事者は治療と財務パフォーマンスの両面でメリットを得られるだろう」とレポートでは主張されている。

関連記事:

  1. AIが体軸性脊椎炎における仙腸関節のX線評価を変革 – 米国リウマチ学会年次総会より
  2. 関節リウマチへのAI研究 – 腸内細菌叢から治療法を変革
  3. 握力低下に苦しむ人々を手助けするAIグローブ
TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事