脳画像から肥満化を予測できるか?

青年期の肥満は、成人期の心血管疾患リスクとして知られている。韓国・ソンギュングァン大学校の研究チームは、AI技術を利用し、青年期の脳画像から肥満化を予測する取り組みを行っている。

学術誌・Brain Imaging and Behaviorに掲載された論文抄録によると、青年期の対象者76名の安静時fMRIから、縦断記録されたBMI値の推移を予測するアルゴリズムを構築したという。大脳皮質表面の性状や皮質下容量などを、部位ごとにバイオマーカーとして設定し、BMIに対する予測能を検討した。これらバイオマーカーは、1-2年後のBMI値を高い正確性で予測していたほか、摂食障害や不安・うつのスコアとも関連していたとのこと。

肥満は食事・運動などの生活習慣に起因するのみでなく、精神疾患を中心とした背景疾患との関わりも指摘されている。青年期肥満の有効な予防策の策定には、生活習慣評価のみならず精神疾患リスクを含めた客観評価を実現し得る点でも、脳バイオマーカーの有用性が今後広がりをみせるのかもしれない。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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