年間アーカイブ 2021

心電図から「心房細動と心原性脳梗塞の発症」を予測

Circulation誌から公表された新しい研究では、43万人の患者から得た160万枚の心電図を利用し、心房細動および心原性脳梗塞の発症リスクを高精度に予測する深層学習モデルを構築している。モデル開発には精密医療を扱うTempus社が関与しており、プロダクト化への道筋にも大きな注目が集まっている。 同研究論文によると、米ペンシルベニア州ダンビルに所在するGeisinger Health Systemでの35年間に渡る患者治療データを用い、心房細動の既往が無い患者を対象とした「心房細動および心原性脳梗塞の発症リスク」を推定するニューラルネットワークを構築した。妥当性の検証試験では、81%の特異度と69%の感度で心房細動の新規発症を予測しており、3年以内に心原性脳梗塞を発症する患者の62%を特定することもできた。著者らは「これは既存の臨床モデルよりも優れている」と主張する。 米国では毎年3億回以上の心電図検査が行われているが、従来の12誘導心電図単独では通常、脳卒中などの「心房細動に関する転帰」までを正確に予測することはできない。著者らは今回の研究成果が心血管治療の向上に大きく貢献すると考えており、疾患スクリーニングや治療管理計画への革新的影響を与えるとして成果の重要性を強調している。 関連記事: 心電図モニタに匹敵する「非接触型新生児バイタルサイン検出システム」 左右の心不全を心電図から識別するAI研究 Volta Medical – 心房細動治療を革新するAIシステム 凪いだ海から昨日の嵐を見分ける目 – 隠れた心房細動を識別するAI技術

認知行動療法の自動評価を行うAIツール

認知行動療法(CBT)は米国で最も一般的なトークセラピーとして知られる。精神科および心療内科領域の種々の疾患群において、その有効性には確たる科学的エビデンスがある。一方で、提供される認知行動療法の「質」を評価することは必ずしも容易ではなく、主観的評価にその大部分を依存してきた。 PLoS ONEからこのほど公開された、南カリフォルニア大学などの共同研究チームによる論文では、訓練中のセラピストと患者の間で交わされた「1,100件以上に及ぶ実際の会話」からCBTの質的評価を行うAIを構築したとしている。AIは自動生成されたテキストトランスクリプションに基づき、セラピストの対人スキルを判断し、セッション中で適切な構成を取ったか(例えば、患者に課された宿題を取り上げたかどうか)、セラピストが患者に集中しているか、自分の話をし過ぎていないか、患者と協力してラポールを築くことができたか、等を適切に識別することができる。また、これらの要素を総合的に判定し、1つの品質指標を生成した。妥当性の検証では人間の評価者との比較において、精度73%での一致をみている。 著者らは「我々は人間の評価者に取って代わるAIを開発するのではなく、評価プロセスの効率を高めるとともに、自己評価のための有効なツールを提供することを目指す」としている。チームは今後、単なるテキストベースの評価ではなく、「抑揚」や「間」といった「話し方」を含むトーンクオリティの評価へと拡張すべく、音声解析技術の更新に目を向けている。 関連記事: 子どもの精神疾患発症を予測するネットワーク分析 精神疾患へのAI活用 – 機械学習アプローチによる長期予後の予測 精神疾患治療のアドヒアランス不良を検出するAIシステム デジタルツールによるメンタルヘルスの改善 メンタルヘルスケアにAIを用いるスタートアップ5選

AI意思決定の誤りを説明する研究 – 米テキサス大学アーリントン校

AI/機械学習システムが医療の意思決定で重要な役割を果たすようになりつつあるなか、「説明可能なAI(XAI)」がより一層求められている(過去記事)。米テキサス大学アーリントン校(UTA)のコンピュータ科学者らは、3年間で38.5万ドルの助成金をアメリカ国立標準技術研究所(NIST)から得て、「機械学習システムがどのように意思決定を行い、誤った意思決定を行ったときに何が起こるか」を研究している。 UTAのリリースでは、研究を率いているコンピュータサイエンス・エンジニアリング学部教授Jeff Lei氏にインタビューを行っている。機械学習が大量のデータポイントを用いて判断を下す際に、判断となるポイントに近いデータは、遠いデータよりも大きな影響力を持つ。チームの研究は、学習データセット全体を見るのではなく、決定点に近いところの様々なデータポイントを見る「最近傍探索」を行うことで計算量を大幅に減らしている。データの偏りや、データ収集に人為的ミスがあったとき、判断に最も影響を与えたデータポイントを探索することでシステムの誤った判断につながった原因を特定できるという。 Lei氏は「AIは意思決定に役立つが、プロセスが複雑で、完全な透明にはなっていない。意思決定が重大な転帰をもたらす領域では深刻な課題である。社会の信頼を維持し、システムが意図通りに機能していることを保障するため、私たちは意思決定理由を説明し、誤った意思決定には根本原因を突き止め、修正案を提示していかなければならない」と語る。Lei教授らによる説明可能なAIの研究は、社会から求められているタイムリーなものとして、今後の医療AIの展開にも大きな影響を与える可能性を秘める。 関連記事: XAIとは何か? – ブラックボックス化しない説明可能な医療AIを目指して 乳がんの病理診断を説明可能なAI 実験心理学が「説明可能なAI」の生成にどのように役立つか? 緑内障の画像診断根拠を臨床医に説明できるAI – ソウル大学病院

Philips – 妊産婦向けAI開発への助成金を獲得

Philipsはこのほど、ビル&メリンダ・ゲイツ財団から1540万米ドル(約17.6億円)の助成金を受けたことを公表した。これにより低・中所得国、特に「適切な医療サービスの行き届いていない地域」における産科医療の質とアクセスの向上を狙ったAIベースアプリケーションの開発を目指す。 同社が11日明らかにしたところによると、このプロジェクトでは、助産師などの医療従事者が妊娠中の潜在的な問題を早期に発見できるようにすることで、妊娠が原因で死亡する女性の数(現在、世界で約830人/日)を大幅に削減するとともに、胎児の死亡率や重要疾患罹患率の低減を図る。具体的には、既にあらゆるコミュニティベースの母子ケアプログラムで広く使用されている、同社の携帯型超音波診断装置「Lumify」に搭載される新規アプリケーションを開発する予定としている。Philips Foundationは、世界中の恵まれないコミュニティに質の高いヘルスケアを提供しており、例えばケニアでは、助産師を教育して村の診療所における妊婦超音波検診を実施し、離れた場所にいる専門医から遠隔医療支援を受けるプログラムなどを行っている。 Philips Research Americasの責任者であるJoseph Frassica氏は「世界中で膨大な数の女性たちが適切な医療にアクセスできていないが、このような人々に高品質な妊産婦ケアを提供するためAIを用いることは、まさに我々の信念にかなっている」と話す。AIを活用した一連の産科アプリケーションは、第一線の医療従事者がハイリスク妊娠を同定し、これを臨床的に管理することで望まれない転帰を回避できる可能性が高く、新技術とその社会実装への期待は大きい。 関連記事: 死亡リスク評価AIが早産児を救う 産後うつ病を予測する機械学習アルゴリズム 医療AIの最新活用事例とは?医師が解説【2021年版】

肌色が濃い人々の皮膚画像データが不足 – Lancet誌

皮膚がん診断におけるAIの役割が進化する一方で、学習用の画像データセットに黒人・アジア系など「肌の色が濃い人々の皮膚画像」が不足しているという指摘が相次ぐ。英オックスフォード大の研究者らによって、皮膚がん画像データセットの不備を指摘する調査結果が学術誌Lancetに報告されている。 本研究は英国がん研究機構(NCRI)の年次フェスティバルで発表され、NCRIのリリース内でも紹介されている。研究チームは、世界中のフリーアクセスで提供される21の皮膚病変画像データセット、延べ10万枚以上の画像を精査した。21のデータセットのうち、「病変部画像」と「皮膚拡大鏡検査(ダーモスコピー)画像」の両方が含まれているのは2セットのみであった。14のデータセットには撮影された国の情報が提供されており、そのうち9のデータセットは欧州諸国の画像が含まれていた。肌色の情報が添付されている画像は2,436枚とごく一部に過ぎず、褐色の肌が10枚のみ、濃い褐色または黒色の肌は1枚のみであった。また、民族性の情報についても1,585枚にしか添付されておらず、アフリカ系・アフロカリビアン系・南アジア系は1人も含まれていなかった。 研究を主導したDavid Wen氏は「我々の調査では、大部分のデータセットに重要な情報が含まれていないことを明らかにした。このような画像から開発されたプログラムは、様々なグループ、特に肌の色が濃い人にどのように機能するか不明である。そのような人たちがAI技術から除外されることや害を与えられる可能性も懸念される。医師養成の要となる医学書にさえ、黒人・アジア系の人々の写真が十分に掲載されていないことを私たちは既に認識していたのではないか」と語る。このような事態を防ぐため、Wen氏らはAI開発に使用するヘルスデータの品質基準を作っていきたいとするとともに、肌色の多様性を認識し、AIが全ての患者に恩恵をもたらすような研究の継続を期待している。 関連記事: 皮膚疾患診断AI「DermExpert」 – プライマリケア支援と有色人種の診断精度に自信 人種バイアスは除去できるか? – 網膜血管から人種を識別するAI MIT「Mirai」 – 多様な人種背景で同等に機能する乳がん発症予測AI

卵巣腫瘍の術前MRI画像診断精度を高める新たなAI手法

「上皮性卵巣がん(MEOTs)」は5年生存率が35%程度とされ、婦人科領域で最も予後の悪い悪性腫瘍のひとつである。一方、MEOTsと鑑別される「境界悪性卵巣腫瘍(BEOTs)」は5年生存率が92%程度と、比較的良好な予後を持つ。そのため、BEOTsとMEOTsを手術前に画像検査から正確に鑑別診断できるかどうかで、妊孕性と卵巣機能維持のために保存的治療の選択肢を残すか、あるいは徹底的な外科治療と化学療法を組み合わせるか、治療戦略の重要な分かれ目となる。 中国科学院の蘇州生物医学工学技術研究所(SIBET)では、術前MRI検査に新たなAI手法を導入し、それら2種の腫瘍をより精度高く鑑別する研究を行っている。中国科学院のリリースでは、学術誌 Artificial Intelligence In Medicineに発表された研究成果を紹介している。本研究で用いられた「MAC-Net」は、従来手法のマルチインスタンス畳み込みニューラルネットワーク(MICNN)に加えて、モダリティベースアテンション(MA)とコンテクストミルプーリング層(C-MPL)を適用することで、既存手法の欠点を克服している。MAは臨床医の意思決定パターンからの学習で別モダリティの重要性を認識し、C-MPLは腫瘍分布に関する強力な事前知識を導入することで隣接画像を正確に評価・予測することを可能にする。この結果、MAC-Netの診断性能はAUC 0.878を達成し、既存のMICNN手法を上回った。 研究チームを率いたJIAN Junming氏によると「これまでBEOTs/MEOTsの鑑別は読影専門医の経験への依存度が強く、主観的で時間がかかり、精度も74〜89%と比較的低かった」と臨床上の課題を説明している。MAC-Netは、MRIのみならずCTやPETなどの他画像検査にも拡張可能で、卵巣がん以外にも肺がん・肝臓がん・大腸がん・乳がん・前立腺がんなどあらゆる固形腫瘍の診断に利用可能として、今後の研究が期待されている。 関連記事: 卵巣がんリスクをAIで予測 – 豪州発の大規模プロジェクト 「電子の鼻」で卵巣がんと膵臓がんを血液から検知 熟練医が持つ「違和感」のモデル化 – 正常/異常のみのMRIスクリーニングシステム

Nym Health – 医療コーディングの自動化プラットフォーム

医療における「コーディング」とは、診療録に記載されている病名を国際疾病分類(ICD)に従ってコード化することを指す。これは正確な患者状況の把握や、あらゆる疾病を国際比較するために必要な分類であること、また適切な医療費請求の拠り所となることなどから、医療において欠かすことのできないプロセスとなる。これまで、「診療録の翻訳家」として知られるICDコーディングスペシャリストを中心とし、人手によって行われてきたコーディング作業をAIによって自動化しようとする取り組みがある。 米Nym Healthは、この医療コーディング自動化プラットフォームで先導的な立場を取るスタートアップで、計算言語学とクリニカル・インテリジェンスを組み合わせた同社の革新的アプローチは、米国内医療機関におけるコスト削減に多大な貢献を示してきた。現在Nym社のプラットフォームでは、コードの識別精度96%以上を誇り、90を超える救命救急施設に導入され、年間300万枚を超えるチャートを処理している。 Nym社のソリューションでは、診療録に自由記載された文章を解析し、人手を介すことなく数秒でICD-10-CMとCPTの償還コードに変換することができる。同社がこのほど明らかにしたところによると、ある医療機関において「1日の患者退院量の半分以上」を数分以内でコーディングすることにも成功したという。また、正確なコーディングによって、1チャートあたり平均20ドル以上の償還機会の損失を回避させたとする. Nym社でシニアバイスプレジデントを務めるMelisa Tucker氏は「我々の臨床言語理解プラットフォームが、救急医療の現場における収益サイクル管理のための信頼できる効果的なソリューションであることは、既に証明されている」と話し、プロダクトの質に大きな自信を示している。 関連記事: 医療費未払いを防ぐAIアプリケーション 医療費請求の効率化 – 元Amazon&Microsoftのチームによる新規AIスタートアップ 医療保険支払い予測AIで医療費を削減 – Alpha Health社のDeep Claim

FDA – 医療機器ソフトウェアへの新しい指針案を公表

このほど、米食品医薬品局(FDA)は「医療機器向けソフトウェアの機能に関する新しい指針案」を公表した。オンラインで公開された同文書は、公開期間を経て最終版となった場合、16年前に発行された「Guidance for the Content of Premarket Submissions for Software Contained in Medical Devices」(医療機器に含まれるソフトウェアの市販前提出書類の内容に関するガイダンス)に代わるものとなる。 FDAが公開した同文書では、医療機器内のソフトウェア(SiMD)および医療機器としてのソフトウェア(SaMD)を中心とした、「ソフトウェア機能」に関するもので、ソフトウェアの設計、開発、検証および妥当性確認の際に生成され、文書化されるデータについてを解説している。最終版では、現在のベストプラクティスやコンセンサス・スタンダードとの調和を図り、明確でシンプルな指針となることが期待される。 2005年5月に発行された現行ガイダンスと比較して、巨大な技術進歩に伴う大幅な改訂がなされている。規制当局のアプローチも大きく様変わりしており、今回のドラフトには「デバイスソフトウェアの安全性と有効性を評価する際、FDAが重要と考える項目」についてが網羅されており、関心ある読者には一読の価値がある。 Content of Premarket Submissions for Device Software Functions 関連記事: 米英加による共同声明「医療AI使用における10の原則」 米FDA – AI医療機器リストを公開 ...

韓国HoneyNaps社 – 睡眠ポリソムノグラフィ解析AI「SOMNUM」を発売

近年、睡眠障害を改善するデジタル手法、いわゆるスリープテックへ業界全体の注力が続いている。世界で1億人以上と推算されている睡眠障害患者は、その約9割が十分な治療に至っていないとされる。睡眠障害の診断法のひとつ「睡眠ポリソムノグラフィ」は睡眠中の脳波・呼吸・眼球運動・四肢運動など多岐に渡って測定する検査法の総称であるが、専門家による結果分析が1件当たり数時間かかることもあり、負担軽減を目指した技術開発に期待が大きい。 韓国のヘルスケアスタートアップ「HoneyNaps」は5日付のリリースで、ポリソムノグラフィをAIで自動解析するソフトウェア「SOMNUM」の発売を発表している。実装される解析プログラムはディープラーニング手法により、これまで手作業で長時間かかっていた検査解析を5分以内に短縮し、従来の自動スコアリングシステムよりも高い精度を謳う。HoneyNapsの担当者によると、2022年からの米国市場参入を目指し、SOMNUMのFDA審査手続きを進めているとのこと。 2021年に入ってからは、Googleのスマートディスプレイ Nest Hubの第2世代が発表され、非接触型の睡眠モニタリング機能、パーソナライズされた睡眠のレコメンデーション機能が搭載された。Amazonでも睡眠時無呼吸症候群を追跡する非接触型ベッドサイドデバイスの開発が報じられている。2026年までに年平均成長率14%ともいわれる睡眠産業を巡っては、様々な新技術発表が続いていくだろう。 関連記事: 睡眠時の歯ぎしりを解析するAI研究 脳年齢を睡眠時の脳波で予測するAI研究 睡眠段階を自動解析するAIプロジェクト「U-Sleep 」 MaskFit AR – 睡眠時無呼吸のCPAP/BiPAPに最適なマスクを選ぶスマホアプリ 睡眠障害をAIで評価する時代へ

関節リウマチ病状評価AIのクラウドソーシング開発チャレンジ「RA2-DREAM」

クラウドソーシングは不特定多数の参加でコンテンツを開発する手法として、医療における機械学習アルゴリズム開発においても人気が高まっている。関節リウマチ患者の関節損傷をX線画像から評価することについては、専門家による時間と費用の両面のコストをかけた従来手法としての課題があり、自動評価AIに一定の開発需要がある。クラウドソーシングで「関節リウマチ患者の関節損傷を定量化する手法」を開発するチャレンジ「RA2-DREAM(Dialogue on Reverse Engineering Assessment and Methods)」が行われ、その成果が米国リウマチ学会(ACR)年次総会で発表された(全文はmedRxiv参照)。 米国の整形外科/リウマチ性疾患専門病院であるHospital for Special Surgeryの研究者らが中心となってDREAMチャレンジを主導した。同病院の6日付リリースでは本研究を紹介している。7カ国26チームが参加したチャレンジでは、関節リウマチによって狭小化し侵食された関節腔をX線画像から定量化するアルゴリズムが競争的に開発された。最終的にトップパフォーマンスを記録した4チームが選出されている。プロジェクトで開発されたスコアリングシステムは、同領域の研究者や臨床医が無償で自由利用できる「パブリックドメイン」であることも要件とされている。 スコアリングシステムの価値は、筋骨格系の画像読影専門家がいない地域で特に重要なものとなり、病状の進行を防ぐために治療方針の変更を促す役割が期待される。 本研究の責任者S. Louis Bridges, Jr.博士は「ツールが広く利用されるため、アルゴリズムにまだ改良の余地はあるものの、DREAMチャレンジを経て目標に近づいた」と結語している。 関連記事: リウマチ専門医はAIトレンドに対応できているか? AIが体軸性脊椎炎における仙腸関節のX線評価を変革 – 米国リウマチ学会年次総会より 関節リウマチへのAI研究 – 腸内細菌叢から治療法を変革

Binah.ai – スマフォカメラでバイタルサインを測定

イスラエルの医療AIスタートアップ・Binah.aiは、スマートフォン・タブレット・ラップトップのカメラを利用し、心拍数を含むバイタルサインを1分以内に捉える技術を有する。バイタルサインの異常は、あらゆる疾患の初期変化として観察されるため、日常的なバイタルサイン測定の実現は常に臨床的価値が高い。 同社の説明によると、このシステムは遠隔光電式容積脈波(rPPG)に基づいて測定するもの。元来のPPGはシンプルで安価な光学的測定法で、古くは1930年代後半から医学的有用性について言及されていた。一方、rPPGは「非接触で心血管モニタリングを行うためのカメラベースのソリューション」であり、従来のPPGデバイスと同等の精度を持つことが明らかにされているという。Binah.aiの技術では、皮膚から反射される赤・緑・青の光量変化を測定し、鏡面反射と拡散反射のコントラストを定量化することで、心拍数・心拍変動・酸素飽和度などのバイタルサインを高速に捕捉することができる。 Binah.aiはソフトウェアの販売にあたり、米国食品医薬品局(FDA)の承認を必要としなかったが、本年12月までにFDAのクラスII医療機器承認を申請する予定としており、来年初頭までに少なくとも2つのバイタルサイン、その後残りのバイタルサインの承認を得ることを目標としている。 関連記事: 心電図モニタに匹敵する「非接触型新生児バイタルサイン検出システム」 非接触型バイタルサイン監視という新潮流 – イスラエル「Donisi」 バイタルサインからCOVID-19と季節性インフルエンザを識別するAIアルゴリズム

MIT研究 – ロボットに社会性を与える

米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、「ロボットに社会的相互作用を組み込んだ」とする研究成果を明らかにした。ロボットが、互いに助け合う、または妨げ合うなどの社会的行動の意味を理解し、自律的にこれを行う新しいフレームワークを開発した。 このほどMITが明らかにしたところによると、研究チームはロボットに社会的相互作用を組み込むため、ロボットにとっての物理的目標と社会的目標を追求しながら「2次元のグリッドを移動」するシミュレーション環境を構築した。物理的な目標は環境に関連するもので、例えば、特定ポイントにある木に向かって移動することなど。一方の社会的目標とは、他のロボットが何をしようとしているかを推測し、その推測に基づいた行動を取ることとなる。 研究者たちはこのモデルを使い、ロボットの物理的目標と社会的目標の内容、そしてどちらか一方をどれだけ重視するかを指定した。ロボットは目標の達成に近づく行動を取ると報酬が得られる。ロボットが仲間を助けようとしている場合は、相手のロボットと同報酬になるよう調整し、邪魔をしようとしている場合は、その逆の報酬となるように調整した。プランナー(ロボットが取るべき行動を決定するアルゴリズム)は、この継続的に更新される報酬を参照し、物理的目標と社会的目標の両方を実行するようにロボットを誘導させた。 研究チームはこれらのフレームワークに基づき、3種類のロボットを定義している。レベル0のロボットは、物理的な目標しか持たず、社会的な推論もできない。レベル1のロボットは、物理的な目標と社会的な目標の両者を持っているが、「他のロボットは物理的な目標しか持っていない」と仮定している。このレベルのロボットは他のロボットの物理的目標に基づき、助けたり邪魔したりといった行動を取ることができる。レベル2のロボットは、他のロボットが社会的目標と物理的目標の両者を持っていると仮定した上で、一緒に手伝うなど、より高度な行動を取ることができる。 これら3段階のレベルにあるロボットを用い、98種類のシナリオを作成した。12名の人間にロボットのビデオクリップを閲覧させ、「ロボットの物理的および社会的目標」を推定させたところ、人間が考える社会的相互作用にほぼ一致していることが確認された。研究チームは「ロボットに社会性を持たせることができれば、人間とロボットの交流がよりスムーズになり、良好な関係を築くことができる。例えば、福祉施設のロボットがこの機能を利用して、高齢者に配慮した環境を作ることができるかもしれない。また、精神医学専門家が自閉症の研究や抗うつ剤の効果を分析する際にも、この新しいモデルによって社会的相互作用を定量的に測定できるようになるかもしれない」と主張する。 本研究の詳細は、今月8-11日にロンドンとバーチャルのハイブリッドで開催されるConference on Robot Learningで発表される。 関連記事: 迷路をナビゲートする昆虫サイズロボット 医療現場を邪魔しないロボット用AIナビゲーション 国立ロボタリウム – ロボット工学とAIの融和する新しい研究施設 医療×コンピュータビジョン – 旧式の医療機器からウェブカメラでデータ抽出

「ワクチン接種ためらいの地域性」をTwitterから予測

COVID-19ワクチン接種が進む中、各国の公衆衛生当局はワクチン未接種の人々が地理的にどこに分布し、なぜワクチンを接種していないか解明しようとしている。陰謀論・不信感・副反応・恐怖心・アクセス困難など、接種ためらいの種類に応じた支援活動を行うには指針となるデータが必要だが、従来の調査方法にはコストや時間に課題があった。 南カリフォルニア大学のAI研究者らは、Twitterを分析することでワクチン接種の躊躇を評価し、米国の都市圏で「郵便番号(ZIPコード)ごとのためらい度合い」を予測する研究を行っている。成果はPLOS Digital Health誌に発表された。TwitterのオプションにGPS情報を有効にする機能があり、大都市圏ほどユーザーがGPSを有効にする頻度が高いことに着目し、それら地域で郵便番号レベルでのワクチン接種ためらいを予測するモデルを構築した。その結果、郵便番号内の平均住宅価格に代表されるような、収入・教育レベルを反映する一般的特徴を用いた既存調査と比較しても、Twitterデータ解析モデルのパフォーマンスが上回ることが示された。 代表的なサンプル回答者にYes/Noでワクチンためらいを質問するような従来調査は、コスト・時間の問題のみならず、政治的偏向などによって無回答率が悪化し、サンプルサイズが小さくなってしまう傾向も認められる。ソーシャルメディアから潜在的なワクチン躊躇を抽出する本研究は、ワクチンやCOVID-19に無関係のツイートが一部に混在しても、その有効性が維持されることが確認されている。解析で得られた情報をもとにしたハイリスクアプローチ、つまり、ワクチン未接種の可能性が高くなるターゲットを絞り、接種に前向きになるような信頼できる情報を局所的にも提供することが、次段階の公衆衛生施策には必要となる。 関連記事: テクノロジーはCOVID-19ワクチン接種率を高められるか? ワクチン関連のインフォデミックを狙い撃つAI研究者たち AIでコロナワクチン接種への躊躇と戦う – 米病院グループ AdventHealth

NIH – アルツハイマー病対策のAI研究センター設立へ

米国立衛生研究所(NIH)はこのほど、アルツハイマー病の理解を深めるためにAI技術の利用と研究に焦点を当てた新センターに対し、2000万ドル(約22.8億円)もの助成を行った。本センターはマサチューセッツ大学アマースト校(UMass)とブリガム&ウィメンズ病院が共同で運営するもので、UMassに本拠を置き、マサチューセッツ州内の他機関からも専門家を集める予定としている。 同大学が1日明らかにしたところによると、共同研究機関にはマサチューセッツ総合病院、ブランダイス大学、ノースイースタン大学等が含まれ、新センターの共同リーダーとして、UMassのコンピュータ科学者であるDeepak Ganesan氏と、ブリガム&ウィメンズ病院の内科医でハーバード・メディカル・スクールの教授であるNiteesh Choudhry氏が名を連ねる。新センターは「Massachusetts AI and Technology Center for Connected Care in Aging and Alzheimer’s Disease」(MassAITC)と名付けられ、アルツハイマー病へのAI適用を通した疾病理解の促進により、厳然として存在する医療格差の是正を目指す。 ブリガム&ウィメンズ病院で研究教育担当シニアバイスプレジデントを務めるPaul Anderson医師・医学博士は、「人工知能は科学や医療の主要な分野を変革する可能性を秘めているが、現実的にこの力を最も必要としている患者・介護者・臨床医に正しく届けることが非常に重要だ」と述べた上で、AIによるアルツハイマー病対策を推進する一大拠点としての発展を期待している。 関連記事: アルツハイマー病を予測するウェブアプリ 語彙パターンによるアルツハイマー病スクリーニング 新時代の時計描画テストがアルツハイマー病を早期検出 全ゲノムシーケンス分析 – 13の新しいアルツハイマー病遺伝子が明らかに 血清ラマン分光法とAI –...

前立腺がん病理診断支援AIの実用化に向けた研究

前立腺がんの病理診断では、グリソンスコア(グリソングレード)による悪性度の評価が歴史的に続けられてきた。その評価法の限界は様々に指摘されてきたが、最も信頼性の高いツールとしての位置づけはほぼ不変である。評価者によって等級付けと定量化がばらつくという限界を克服するために、近年は病理医を支援するAIプラットフォームの開発が盛んとなり、泌尿器科におけるAI利用の重点領域とも言える。米ウィスコンシン大学マディソン校の研究グループから、新たなAI支援病理診断プラットフォームに関する研究が発表されている。 学術誌 JAMA Network Openに収載された同研究では、589人の男性から採取された1,000枚の前立腺がん病理スライド画像が解析された。3名の泌尿器科領域専門の病理医がスライドを手作業でチェックし、AIプラットフォームの支援下と比較された。その結果、AIシステムのスライドレベルでの悪性度判定は病理医の診断と「ほぼ完全な一致」がみられた。さらに、AI支援によってグレーディングと定量化の精度は、手作業の84%からAI支援で90.1%に向上していた。 研究チームによると「従来の研究で使用されてきたAIシステムやアルゴリズムは、病理医の臨床業務に影響を与える可能性の検証が十分ではなかった」として、本研究では病理医支援AIの効果検証が重ねられた。AI支援による診断精度の改善が今後のスタンダードとなり、前立腺がん患者のリスク層別化や治療方針策定に大きな影響を与える時代がさらに近づいていることを、本研究は実感させる。 関連記事: Google HealthのAI研究 – 前立腺がん病理診断のパフォーマンス向上 Ibex Medical Analytics – 前立腺がん病理診断AIの臨床検証結果をLancetに発表 前立腺がん病理診断にAIの眼を – スウェーデン カロリンスカ研究所

脳電気刺激で思考パターンを改善させる研究

精神疾患や脳機能障害に対して、電気刺激で病状を改善する手法は歴史的にも長く模索されてきた。近年ではAI領域の技術進展を背景に、脳の信号検出と電気刺激制御の精度が向上し、さらなる実用化が進んでいる。米ミネソタ大学とマサチューセッツ総合病院の研究者らは、AIと脳電気刺激を融合し「思考パターンの機能改善で精神的柔軟性を向上させる」研究を行っている。 ミネソタ大学からのリリースでは、学術誌 Nature Biomedical Engineeringに発表された同研究を紹介している(全文はbioRxivプレプリント版参照)。本研究はマサチューセッツ総合病院でてんかんの脳手術を受けた12名の患者を対象に、脳全体に数百の小電極を設置して得られた成果である。研究チームは少量の電気エネルギーで刺激すると精神機能が向上する脳領域「内包」上の特定の位置を同定した。その部位は思考パターンを別の思考パターンに移行するプロセス「認知制御」を担っていると考えられ、多くの精神疾患で同機能の障害がみられている。同部位へ電気刺激を行うことで思考パターンが改善し、不安が改善するなどを認めた。このことは不安という苦痛の思考パターンから切り替えができるようになり、自分の望む思考に集中できるようになったことを意味する。電気刺激を行うにあたっては、信号のフィードバックから入力と出力を調整する機械制御の一種「クローズドループ制御」の独自アルゴリズムが開発され、従来のランダムな電気刺激よりも2倍に相当する効果が得られたという。 論文執筆者でミネソタ大学精神科助教のAlik Widge博士によると「よく使う例えとして電動自転車があり、ペダルを漕ぐのが困難なとき、自転車側はそのことを感知し漕ぐ力を増強してくれる。私たちはそれに相当するものを人間の精神機能に対して作り上げた。精神疾患の症状を抑えるのではなく、患者が自身の心をコントロールするためのツールを提供することで、再び運転席に戻ってもらうことができる。精神疾患治療においてまったく新しいアプローチになるかもしれない」と語った。脳深部刺激(DBS: Deep Brain Stimulation)という手法自体は、FDA承認が得られている既存のツールやデバイスを用いることができるため、チームでは臨床試験を進め、この治療法を医療現場へ迅速に反映させようと計画している。 関連記事: パーキンソン病患者への脳深部刺激療法の長期有効性 ニューヨーク大学 – 在宅脳刺激による精神神経疾患の遠隔治療プログラム 米NeuroMetrix社 電気刺激による鎮痛療法の効能向上にAI応用

AI退院プログラムが空床調整を最適化

英ロンドンに本拠を置く医療AIスタートアップ「RwHealth」は、NHSに独自のAI技術を提供し、空床調整におけるオペレーションパフォーマンスを劇的に改善している。同社は1日、シリーズAラウンドとして720万ユーロ(約9.5億円)を調達したことも公表している。 このほど、NHS病院で1週間に渡って行われたトライアルでは、3つの医療機関においてRwHealthのAIおよびデータ分析ツールを活用し、「患者の適切な退院」を促すことによってどれほどのベッドキャパシティが創出できるかを試験した。患者のウェルビーイングが十分に担保された状態において、これらのシステムは計586名の患者を退院に導き、通常の57%増にあたる空床の確保に成功したという。 冬季の病床需要増大への予防策としても、一定の成果を示した同社システムは今後利用範囲の拡大が期待されている。RwHealthのCEOであるOrlando Agrippa氏は、今回の資金調達について「得られた調達資金は、NHSの未来を支えるAIソリューションの提供および開発に用いる」ことを明らかにしている。 関連記事: 小児入院患者に「ICUケアが必要となるか」を予測するAIモデル COVID-19患者のICUベッドと人工呼吸器の需要を予測するAI – NHSとケンブリッジ大学が開発 医療×コンピュータビジョン – 旧式の医療機器からウェブカメラでデータ抽出 Mona – ICUケアのDXを目指すAIデバイス

AIにより「遺伝子変異の病原性」を定量

米ハーバード・メディカル・スクールと英オックスフォード大学の共同研究チームは、教師なし機械学習モデルにより、3,200以上の疾患関連遺伝子にまたがる「3600万以上の遺伝子変異」について、その病原性(疾患を引き起こす特性)を予測することに成功した。研究成果は、権威ある学術誌 Natureに掲載されている。 ヒトの疾患に関連する遺伝子におけるタンパク質変異の病原性を定量化することは、臨床判断に大きな影響を与えるが、一方で、これら変異の98%以上はその結果が分かっていなかった。同研究論文によるとチームは、従来の「既知疾患ラベルによる機械学習モデルの学習」を行うのではなく、「EVE」(evolutionary model of variant effect)と名付けられた全く新しい手法によって特徴を分類しようとした。これは、生物間の膨大な時間の中での配列変異分布をモデル化しようとするもので、これによってタンパク質配列の中から「適合性を維持する特徴」を分離することができるという仮説に基づく。EVEは、まさに進化情報をモデルしたものと言え、研究チームは「研究や臨床に直接資する、変異解釈の貴重な独立したエビデンスを提供する可能性」を示唆している。 ハーバード大学のDebora Marks氏は、公式リリースの中で「我々の結果は、当初の予想をはるかに上回るものだった。進化に伴う配列分布に適合するようにモデルをトレーニングするだけで、与えられた遺伝子変異から生じる疾病リスクについて、想定外に高精度な予測を可能にする情報を抽出している」と述べ、新手法の革新性を強調する。 関連記事: EARN – 転移性乳がんのドライバー遺伝子を予測する機械学習アルゴリズム 全ゲノムシーケンス分析 – 13の新しいアルツハイマー病遺伝子が明らかに 薬剤耐性菌の広がりを予測する機械学習モデル がん細胞から治療反応を予測 遺伝性がんカウンセリングへのAIチャットボット「Angie」

緑内障の10秒スクリーニングを目指すAI研究

失明原因で最も一般的な眼疾患「緑内障」において、早期診断は障害の進行を防ぐために重要な役割を果たす。従来の手法として、検眼・眼圧検査・視野検査などを組み合わせて総合的に緑内障はチェックされる。一方、新技術として瞳孔径の光反応から緑内障をスクリーニングする手法が考案されているが、手作業による監視が必要であったり、高い計算コストなどの課題があった。 豪州ロイヤルメルボルン工科大学のリリースによると、同大の研究グループは、日常環境光のもとで市販の視線計測機器(アイトラッカー)を用い、瞳孔径データから緑内障を検出するAIアルゴリズムを開発している。研究成果は学術誌 IEEE Accessに発表された。本研究ではGazepoint社のアイトラッカーGp3を用い、椅子に座った被験者は画面中央のターゲットに120秒間焦点を合わせ、その間に瞳孔径のデータが収集される。機械学習手法による解析の結果、緑内障患者と対照群の間で有意な差を検出できた。 本研究において、瞳孔が解析に必要な定常状態に達するまでに要する時間は10秒間であり、このことから「10秒で可能な緑内障スクリーニング」を謳い文句としている。グループの代表であるDinesh Kumar教授は「本研究の成果は、一般の診療所で日常的に行える、非接触で使いやすい低コストの緑内障スクリーニング検査を実現するものだ。地域のスクリーニングプログラムを促進することで、手遅れになるまで治療を受けていなかった人々に検査を届けられるかもしれない」と述べている。 関連記事: AIによる緑内障の高感度スクリーニング 緑内障の遺伝的リスク予測モデルの構築 レビュー論文 – 緑内障の診断・進行予測へのAI活用 緑内障の画像診断根拠を臨床医に説明できるAI – ソウル大学病院 緑内障進行の兆候を超早期に捉えるAI技術

ワクチン関連のインフォデミックを狙い撃つAI研究者たち

ネット上の噂やフェイクニュースによる不正確で有害な情報拡散、いわゆる「インフォデミック(infodemic)」の問題は、COVID-19パンデミックをきっかけに広く知られるようになった。WHO・国連らによる共同声明は「誤った情報が命を奪う」という強い言葉でインフォデミックに対する警告を発した。ワクチン政策が主戦場となった現在、ワクチンに関する誤解を招くニュースやSNS投稿を自動検出するAIツールが各方面で開発されている。 米スティーブンス工科大学のリリースでは、同大のAI研究者 Subbalakshmi博士とそのチームによる「フェイクニュース検出AI」を紹介している。チームは以前にも「言葉遣いからアルツハイマー病を高精度に識別するAIツール(過去記事参照)」の開発で注目を集めていた。今回の研究では、15ヶ月間にわたり80のメディアからCOVID-19に関する2,600件のニュースを収集し、評判の高いメディア評価サイトとの照合の上でニュースに信頼性の有無のラベルを付けた。さらに、それらニュースに言及した24,000以上のTwitter投稿を収集し、ニュースに対する支持/不支持を判断する「スタンス検出」アルゴリズムを開発した。これらを元にしたベースラインアーキテクチャは約88%の精度でフェイクニュースを検出することが可能と謳う。その仕組みの例として、大げさな表現や感情的な表現は、偽りの主張と相関が強い傾向にある。また、公開時期・記事の長さ・名を連ねる著者の数などもアルゴリズムに利用され、記事の信頼性を判断しているとのこと。 Subbalakshmi博士は「研究の真の貢献は、データセットそのものであり、他の研究者がデータを利用してフェイクニュースへの理解を深めることを期待している。これまでテキストに焦点を当ててきたが、ニュースや投稿に埋め込まれた画像・動画などあらゆる種類のメディアを消化することが今後の課題である。こちらが一歩前進するたびに、悪意ある人たちは私たちの手法を学び、さらに洗練されたフェイクを作り上げてくる。常に戦闘状態であり、数歩先にいることが重要だ」と語っている。 関連記事: 言葉遣いからアルツハイマー病を高精度に識別するAIツール SNSが健康の信念に与える感染力はCOVID-19よりも強い? 新型コロナウイルスの Infodemic: インフォデミックと戦うIT企業たち

がん細胞から治療反応を予測

近年、AIによる個別化医療の加速には目を見張るものがある。AIおよびデータサイエンス技術の発達は、大量の複雑なデータを適切に分析することを可能とし、臨床医による「より個別化された治療」の提供実現を通して、患者予後を改善することができる。米ジョージア工科大学の研究チームは、卵巣がんにおける「がん細胞特性」から、治療反応を予測するAI研究を推進している。 Journal of Oncology Researchからこのほど公開されたチームの研究論文によると、米国立がん研究所が保有する499の独立した細胞株のデータを用い、15種類の異なる機械学習モデルを構築したという。アンサンブル学習によって、がん細胞株の遺伝子発現プロファイルと、過去に観察された治療反応との関連から、種々の抗がん剤に対する効果予測アルゴリズムを導いた。これらを用い、23人の卵巣がん患者において、7種類の化学療法剤を含む臨床データセットで検証したところ、モデルの予測精度は91%という高精度を達成している。 ジョージア工科大学による公式リリースの中で、研究を率いたJohn F. McDonald氏(同大学統合がん研究センター所長)は「より多くの種類のがん患者を対象として、さらなる検証を行う必要があるが、卵巣がん患者における薬物反応を90%の精度で予測できるという予備的結果は、非常に有望だ。個々の患者に最適な抗がん剤治療を正確に予測できる日が来ることを期待する」と述べる。 がん細胞は高度に統合されたネットワークでもあり、臨床的には同じ特徴を示す同種の腫瘍であっても、分子レベルでは全く異なる可能性があり、治療反応の正確な予測は困難を極めてきた。本研究のアプローチは、婦人科腫瘍領域における精密医療を加速させる一例としても、業界からの関心を集めている。 関連記事: 唾液タンパク質データベースが個別化医療を変革する 口腔がんの治療選択を個別最適化するAIシステム 早期肝細胞がん切除術後の生存率を予測するAI研究 「どこが痛むか」が疼痛の転帰を予測する

慢性創傷の治癒を予測するAIモデル

慢性創傷と呼ばれる「通常の経過(4~12週間)で治癒しない傷」が、高齢化・肥満・糖尿病などを背景として米国で蔓延している。慢性創傷は患者の生活の質に影響を与え、多大なコストを必要とする。傷が治るまでの治療期間をタイムリーに予測するAIツールによって、慢性創傷ハイリスク患者の管理を改善しようとする研究が行われている。 創傷ケア用のソフトウェアを開発する米Net Health社のリリースでは、学術誌 Advances in Wound Careに発表された「慢性創傷ハイリスク患者を特定し、治癒期間を予測する機械学習モデル」を紹介している。Net Healthの創傷データベースは、過去20年以上470万件の事例を収集した世界最大級のものとなる。これを利用し、治療開始後4・8・12週後で創傷が治癒する可能性を予測するモデルを構築した。結果、モデルの精度としてAUCは0.854(4週)・0.855(8週)・0.853(12週)を達成した。さらにこのモデルは予測への影響を説明するSHAP値という指数により、傷の深さ・位置・面積など、治癒しないリスクに影響する因子を特定できる。 AIを創傷治癒に活用した先行研究はあれど、本研究ほどの包括的なデータセットで広範囲な予測期間を評価したものはほとんどみられなかった。創傷治癒に悪影響を及ぼした要因を特定するアプローチは、近年トレンドとされる精密医療の方法論と一致している。Net Health社のデータサイエンティストで論文著者のMatt Berezo氏は「ツールから得られる洞察によって、臨床医がタイムリーな判断を下し、治療の改善と医療費の削減につながる可能性がある」と述べている。 関連記事: AIによる褥瘡予測 AIとバイオスキャフォールド – 創傷治癒を加速させる先進技術 「DeepView」 皮膚の壊死組織を見極めるAI 手術後の傷は自宅でAIアプリが観察 – 国立台湾大学医学院附属病院 アスリート達のスポーツ外傷を予測するAI

薬剤耐性菌の広がりを予測する機械学習モデル

別々の生物が交配することなく遺伝情報を交換する「遺伝子の水平伝播」は、細菌の細胞間でしばしば観察される。水平方向への遺伝子導入は細胞間で直接行われることもあれば、共有された環境下で間接的に行われることもある。いずれにせよ、累積的な突然変異と同様、これは抗生物質に対する耐性を広める主要な要因となっている。 Science Advances誌のオンライン版にこのほど掲載された、米コーネル大学の研究論文によると、この種の遺伝子伝播が「機械学習によって予測できる可能性」が示されている。研究を率いたIlana Brito氏らは「どのような細胞の特性や機能が遺伝子の水平移動に寄与しているか」を解明するため、様々な細菌のゲノムを精査し、いくつかの機械学習アルゴリズムを適用した。最も優れたモデルでは、AUC 0.983という高精度での伝播予測を達成した。 著者らは「遺伝子の水平移動を成功させるため、ネットワークの構造と代謝機能が重要な役割を果たしていることを明らかにした」と述べる。この新しいアプローチは、特定環境下における伝播の可能性と好発エリアの特定、またターゲットとなる弱体化遺伝子の同定などを実現する可能性を内包しており、領域に大きなインパクトを与える成果のひとつと言える。 関連記事: 耐性菌の迅速検査に向けたセンサー開発 抗菌薬は魔法の薬ではない – アフリカでの抗菌薬濫用を防ぐAIツール 終末期医療を支えるAIツール 骨折特性と患者背景から術後の感染症リスクを推定する機械学習アルゴリズム

米英加による共同声明「医療AI使用における10の原則」

米国・英国・カナダの規制当局が協力し、「AIを組み込む医療機器の使用に際した10の原則」を明らかにした。これは「機械学習の良い実践方法:good machine learning practices (GMLP) 」を開発するための基礎に資するもので、急速に進歩する医療AI領域の成長に向けた指針となる。 英政府が27日明らかにしたところによると、この原則は、1. 他分野で実証されているgood practicesの取り込み 2. ヘルスケア領域への適用に向けた他領域における慣行の調整 3. ヘルスケア領域に特化した新しいpracticesの作成 等を目的に利用されることを期待するもの。指針内ではGMLPの重要な要素を網羅しており、具体的には、臨床ワークフローへのモデル統合の意図を深く理解することや、期待される利益とそれに伴う患者リスクを理解すること、トレーニングデータおよび検証データへの理解、などを求めている。 英政府は「責任あるイノベーションを進め、より広範なセクターに力を与えるためには、強力な国際的パートナーシップが不可欠であると考える。我々はこの分野において、米食品医薬品局やカナダ保健省、そして他国との継続的な共同作業と連携を進める」としている。 なお、指針全文はこちらから確認することができるので、参照のこと。 関連記事: WHOの新指針 – 医療AIの倫理およびガバナンス 「循環器AIは善か悪か」- 欧州心臓病学会での議論 患者が抱く「医療AIへの6つの想い」 米FDA – AI医療機器リストを公開

慢性腎臓病(CKD)の重要リスク因子に「教育水準」

高齢化の進展で、世界各国で慢性疾患の管理は重要な関心事となっている。なかでも台湾では、慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)に関する医療コストの増大が顕著である。米国の腎臓関連データバンクUSRDSの年次報告でも、台湾における透析患者の有病率と年間発症率が世界でトップとのデータが示されていた。台湾国内でのCKDリスク要因を評価するために機械学習アルゴリズムを用いた研究が、国内の主要健診センターMJグループを中心として行われた。 同研究の成果は学術誌 Risk Management and Healthcare Policyに27日付で発表されている。MJグループにおける2010〜2015年まで65,394人の健診データから、18種のリスク因子について5つの予測モデルを用い、CKDリスクを判定した。その結果5つのモデルすべてにおいて、血中尿素窒素(BUN)と尿酸(UA)の血液検査データがCKDのリスク指標として1位、2位に同定され、これまで臨床的に認識されていたのと同様の結果を示した。本研究でユニークなのは、5つのモデルの中で予測性能の成績が特に優れた3つのモデル(LR・SGB・XGboost)において「3番目に重要なリスク因子が教育水準」と示された点である。すなわち教育水準が高いほどCKDの発症率低下との関連が強く、学歴が低いグループに比較して高学歴グループではCKD発症リスクが10分の1程度低かった。 教育水準がCKD発症率や健康意識と関連していること自体は従来より示唆されてきた内容であるが、様々なリスク因子全体の中でこれほどに上位で大きなウエイトを示したことは、驚くべき結果であると研究グループでは考察している。このことは社会的に広く認識されておらず、議論に及んでいないとして、さらなる研究の価値があると述べられている。教育水準という代理指標には不完全な点もあるが、ほぼすべての研究者が利用可能にもかかわらずその指標の活用が不十分であり、政府や保健機関はより注意を払うべきと、本研究では結論付けられている。 関連記事: 健康への社会的決定要因を評価するAI手法 慢性腎臓病(CKD)のスクリーニングは自宅のスマホで – 英NHSX AIは腎臓病と透析導入を予防できるか?

AidocがマンモAIを獲得へ

医療画像AIのリーディングプロバイダーであるAidocは26日、同プラットフォームにScreenPoint Medicalの乳房画像診断AIを組み込むことを明らかにした。AidocのAIソリューションは世界600の医療機関に提供されているが、今回の新たなモダリティ対応によって、その価値をさらに高めようとしている。 同社が26日明らかにしたところによると、ScreenPoint MedicalのAIアルゴリズムであるTransparaは、2Dおよび3Dマンモグラフィについて医師の読影精度を向上させることを支援し、乳がんの早期検出や読影時間短縮に貢献するという。Transparaによる画像分析では独自の検査スコアが生成され、がんリスクの高い症例がスキャンされた場合、読影医に対して警告を発することができる。Aidocの事業開発担当副社長であるTom Valent氏は、「ScreenPoint Medicalのプロダクトを当社の強力なAIプラットフォームに組み込むことで、統一されたシームレスな多分野横断AIの一部として、主要な臨床ユースケースに価値を提供できることを楽しみにしている」と述べる。 ScreenPoint Medicalは、一貫して乳がんスクリーニングに向けたAIソリューション開発に取り組んできた。現在、マンモグラフィと乳房トモシンセシス読影におけるAIとして業界をリードするTransparaは、25カ国200以上のクリニックで利用されている。 関連記事: Aidoc – シリーズCラウンドで6600万ドルを調達 ドイツ国内初となるAidocの採用 – Unfallkrankenhaus Berlin 肺塞栓症のAI画像診断を改善 – AidocとImbioのシステム統合 Aidoc – 医療画像AIの導き手はイスラエルから

遺伝性がんカウンセリングへのAIチャットボット「Angie」

遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC: Hereditary Breast and Ovarian Cancer)を心配する患者が、クリニックで初めての遺伝カウンセリングを受ける際には高い障壁がある。来院に先立つ情報収集により、患者家族における全てのがん病歴を聴取するために長時間を要したり、初めて提供されるカウンセリングの情報量に圧倒されて遺伝子検査を受ける決断ができないこともある。 シンガポール国立大学がん研究所(NCIS)は25日付のリリースで、遺伝性がんのリスクを抱える女性に対して、対話型AIチャットボット「Angie」をメッセンジャーアプリWhatsApp上で提供開始したことを発表している。Angieとのコミュニケーションによって、遺伝カウンセリング前にHBOCそのものや遺伝子検査の役割についてを学べ、家族の病歴をより簡便に自由なタイミングで入力できるようにするなど、遺伝カウンセリングのプロセス変革を志している。 同研究所と提携しAngieを開発したヘルステックAIスタートアップ「Bot MD」のCEOであるDorothea Koh氏は「開発にあたり、HBOCリスクのある患者にとって親しみやすいものとするため、WhatsAppのような誰もが簡単にアクセスできる便利なチャットプラットフォームを通じて提供しようと考えた」と語る。現在、同サービスを他アジア諸国にも拡大していくことが検討されている。 関連記事: 遺伝カウンセリングのためのAIチャットボット 仏スタートアップ 乳がん患者の質問に答えるAIチャットボットを開発 チャットボットベースの症状チェッカーに欠けているもの WHOにとって最初のバーチャルワーカー「Florence」

ドライアイを光干渉断層撮影から診断するAI

ドライアイ診断のための緒検査には、一貫性の不足や、侵襲的で刺激があることが課題となってきた。近年眼科領域で実用化が進む、光干渉断層撮影(OCT: Optical Coherence Tomography)にAIを用いた手法によって、ドライアイを正確に自動診断する研究が発表されている。 学術誌 Clinical Ophthalmologyに21日付で発表されたのは、米マイアミ大学とサウスフロリダ大学を中心とした研究グループによる「深層学習ベースでOCT検査からドライアイを自動検出する」研究である。同研究で開発されたAIモデルは、ドライアイ診断で最も代表的なシルマーテストや、角膜染色といった従来手法と比較されている。例えば、シルマーテストは目に濾紙を挟み込むことで「濾紙に浸透した水分の距離」を測定し、涙の分泌量を定量する検査だが、眼の刺激はもとより、眼の位置による誤差などで一貫性・再現性が低く、その結果自体も診断を決定的とするには議論の余地が多かった。一方、OCT検査は眼表面の粘着性や、液面の屈曲(メニスカス)を定量化することで、ドライアイをより正確に診断できる可能性が示唆されてきた。結果として、OCT深層学習モデルはドライアイ診断で精度84.62%・感度86.36%・特異度82.35%を達成し、従来検査と比較して有意に優れた精度を示していた。 研究では、角膜領域を専門とした眼科医の診断を基準としており、その診断とOCT深層学習モデルが強い相関を持つことが確認できた。著者らは「ドライアイ診断に深層学習を適用し、従来検査と比較した研究としては初めてのもの」と謳う。研究グループでは、医療従事者の監督なしにドライアイのスクリーニングプログラムのツールとして利用されるようになることを期待し、モデルの精度をさらに高めていくことを計画している。 関連記事: イスラエル Spring Vision社 – 網膜血管マッピング技術を宇宙で展開 Perimeter – 術中に病変微細構造を確認できるOCTシステムでFDA認証を取得 Optovueの網膜疾患診断AI 多施設臨床試験を完了

ヘルスケアAI市場は2027年までに345億ドルに到達

25日、Global Market Insights Inc.が公表した調査報告によると、ヘルスケア領域におけるAI市場は2027年までに345億ドル(約3.9兆円)に達するという。ヘルスケアAIは、診断支援、治療計画の設計と最適化、反復作業支援、投薬管理、創薬、予後予測など、多分野に重要な変革をもたらした。また、AI開発・利用を前提としたデータの収集・保存・正規化の加速により、ヘルスケアデータ管理に大幅な改善がみられている。 同社の報告によると、地域別ではアジア太平洋地域のヘルスケアAI市場における急速拡大を予測しており、これは大規模な患者プールの存在によるとする。具体値として2027年までに、約36.1%もの成長率を見込む。また、分野別ではバーチャルアシスタントのさらなる普及を予測し、2027年までに32.6%の市場成長と47億ドル規模到達を見込んでいる。患者満足度および医療の質的向上、限られた医療者数での患者転帰改善などが、主要なバーチャルアシスタントの利点と考えられ、これらは直接的にヘルスケアプロバイダー側の業務フロー、および患者の受診体験を改善するため、技術利用への心的障壁が小さい。 業界の主要プレーヤーは市場での存在感を高めるため、買収・事業拡大・新製品開発など様々な戦略に注力し、来たる巨大市場での飛躍を狙う。 関連記事: 医療AI市場のCAGRは42.8%の高水準へ Microsoftの医療AI進出 – Nuanceを197億ドルで買収 Alphabet傘下Verily – 臨床試験管理システムのSignalPath社を買収 病理AIの飛躍へ – PathAIが大規模検査会社を買収

ヘルスケアにおけるGoogle Cloudの加速

米ニュージャージー州エジソンを拠点とするHackensack Meridian HealthとGoogle Cloudはこのほど、両者のコラボレーション拡大を発表した。これにより、17の病院を含む500の施設においてGoogle Cloudの利用が開始される。Googleは医療AI開発に関して、さらなるサービス開発の足がかかりを得た形となる。 Googleが明らかにしたところによると、順次、同施設群における臨床データおよび業務データをGoogle WorkspaceとChrome Enterpriseプラットフォームに移行するとともに、AIに関する提携を強化する。Hackensack Meridian Healthは「GoogleのAIツールキットをスクリーニングや診断などの主要な臨床分野に適用し、ニュージャージー州の医療のあり方を変革する」ことを目指す。既にこれまで、同ヘルスケアプロバイダーにおけるパンデミック中のリモートワーカーをサポートするため、約3,000台のChromebookにCitrixを搭載し、医療の中核となるアプリケーションへの安全なアクセスを実現している。実際、遠隔医療の提供件数は、2019年には約8,600件であったのに対し、2020年には約200,000件までに増加したとする。 Hackensack Meridian Healthで医療統括責任者を務めるDaniel Varga医師は、「この協力により、患者ケア・治療精度・臨床転帰が改善されるとともに、効率性が向上し、医師が救命のための研究や患者のケアにより多くの時間を割くことができるようになる」と述べている。Googleは大規模データに基づくさらなるAIサービス開発と検証の機会を得て、ヘルスケアセクターにおける存在感を堅実に強めている。 関連記事: 米大手ヘルスケアプロバイダーとGoogle Cloudの提携 Googleアシスタントは薬品名をより正確に理解する Google – スマートフォンカメラから皮膚疾患を識別するAIアプリケーション Google – ミネソタ州の新拠点でメイヨークリニックとの連携を強化

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